「阿部一二三が攻撃したのに…」 五輪柔道を総括、現行ルールの問題点を英指摘「技を見たいのは事実」
パリ五輪は11日に閉幕。柔道日本代表は、3つの金メダルを獲得したものの、東京五輪の9つから減少した。審判の不可解な判定も話題になった今大会の柔道競技について、英メディア「インサイド・ザ・ゲームズ」は、総括記事を公開。その中でルール改正を提言している。
英メディアがパリ五輪・柔道を総括
パリ五輪は11日に閉幕。柔道日本代表は、3つの金メダルを獲得したものの、東京五輪の9つから減少した。審判の不可解な判定も話題になった今大会の柔道競技について、英メディア「インサイド・ザ・ゲームズ」は、総括記事を公開。その中でルール改正を提言している。
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「インサイド・ザ・ゲームズ」は、「柔道オリンピック総括:日本はトップに立ったが、満足はしていない」という見出しで記事を公開した。記事冒頭では「2024年パリ大会の柔道競技は個人14種目、団体1種目が行われ、日本は金メダル3個、銀メダル2個、銅メダル3個を獲得してメダルランキングのトップに立ったが、彼らが望んだ結果ではなかった」と、柔道大国・日本目線で競技を統括した。
一方で、今大会で不満が続出したルール面に対しても言及した。「IJF(国際柔道連盟)は柔道をもっとダイナミックで面白くするために2016年にルールを改定した。しかし、パリでは多くの柔道ファンが柔道の質について不満を抱いたままだった」と現行ルールの問題点を指摘。「指導で終わる試合が多いこと、柔道家が指導を避けるために攻撃するふりをして慎重に戦うこと、そして、いくつかの審判の判定はファンを失望させた」と、その理由を説明した。
記事では、特に「日本とイタリアは大会初期に審判の判定に不満を漏らしていた」とし、「大会最終日の混合団体戦の試合で、ヒフミ・アベが攻撃したのにガバが3つ目の指導を受けなかったことに対して、更に抗議をした」と、混合団体について記した。
パリ五輪での事態を受け、同メディアは「このような慎重な柔道の傾向が2028年のロサンゼルス大会まで続くようであれば、IJFは数年前のフリースタイル・レスリングのように、それを防ぐための対策を講じることもできるだろう」と、ルール改正を提言した。
「柔道は伝統と歴史に基づくスポーツであり、変化があれば議論の対象となる。近い将来、世界的な変化が見られるとは考えにくいが、オリンピックの観客がより多くのアクションとより美しい技を見たいと思っているのは事実だ」と主張を展開した同メディア。「ロサンゼルスでそうなることを期待しよう」と、記事を結んでいる。
(THE ANSWER編集部)