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「2人で1つ」として戦うスポーツの尊さ 結成11年、一心同体で“最適解”を探るペア種目の精神――バドミントン・福島由紀

スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、大のスポーツファンも、4年に一度だけスポーツを観る人も、五輪をもっと楽しみ、もっと学べる“見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値が社会に根付き、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。

廣田彩花(左)と結成11年で福島由紀が知ったのペア競技の尊さ【写真:Getty Images】
廣田彩花(左)と結成11年で福島由紀が知ったのペア競技の尊さ【写真:Getty Images】

「シン・オリンピックのミカタ」#54 連載「私のスポーツは人をどう育てるのか」第4回

 スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、大のスポーツファンも、4年に一度だけスポーツを観る人も、五輪をもっと楽しみ、もっと学べる“見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値が社会に根付き、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。

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 今回は連載「私のスポーツは人をどう育てるのか」。現役アスリートやOB・OG、指導者、学者などが登場し、少子化が進む中で求められるスポーツ普及を考え、それぞれ打ち込んできた競技が教育や人格形成においてもたらすものを語る。第3回はパリ五輪出場を目指したバドミントン女子ダブルスの福島由紀。廣田彩花との“フクヒロペア”で2021年東京五輪に続く2大会連続出場と金メダル獲得を目標にしながら、昨年末に廣田が負傷した影響もあり、その夢は達成できなかった。しかし苦しい戦いだったからこそ、気づかされたことがある。ダブルスの道を選び、1人の人間として育まれたものを語った。(取材・文=藤井 雅彦)

 ◇ ◇ ◇

 福島由紀は今年5月で31歳になった。バドミントン選手としてはベテランの域に入りつつあるが、それでも技術はそうそう錆びないし、経験に裏打ちされた予測や判断には磨きがかかる。

 今夏のパリ五輪出場という目標は達成できなかった。4月に最後の試合が終わり、本大会に出場できない現実を突き付けられた際には喪失感を味わったが、それでも「バドミントンが好き」「もっと強くなりたい」という子どもの頃から抱き続ける想いは一つも変わらない。

 バドミントンを始めたのは、小学3年生の時だった。きっかけは6歳上の姉がバドミントンをやっていたから、ではない。

「田舎に住んでいて、小学校は野球部とバドミントン部しかありませんでした。もともとスポーツをやるつもりもなくて、運動といっても外で友だちとワイワイしていただけ。それを見かねた母が、勉強もしないで遊んでいるくらいならスポーツをやりなさい、と。女子が野球をやるイメージはなかったので、やるならバドミントンになりました。やろうというよりも、入れられた感じです(笑)」

 中学時代から全国大会に出場し、高校はバドミントンの強豪校である青森山田へ親元を離れて進学。多くのタイトルを獲得しながら2011年に世代別代表に選出されると、社会人2年目の2013年には廣田彩花とペアを結成。ダブルスの選手として、階段を一段ずつ上がっていった。

「フクヒロペア」の愛称で親しまれた2人の共闘は、紆余曲折とも波乱万丈とも形容できる。一度はペアを解散し、お互いに自分と見つめ合った過去を持つ。世界ランキング1位で迎えた21年東京五輪は、大会直前に廣田が前十字靭帯断裂の大怪我を負った影響もあってベスト8に終わった。捲土重来を期すはずだったパリ五輪も、レース途中に廣田が今度は逆足の前十字靭帯を断裂するアクシデントに見舞われて苦しい戦いを余儀なくされた。

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