長野育ちカナダ代表の出口クリスタがメッセージ「得する人はいない」

　パリ五輪で改めてクローズアップされているのが、アスリートへの誹謗中傷問題だ。国を背負って戦うことで、より大きな問題に発展することもある。長野育ちで、カナダ代表として柔道女子57キロ級で金メダルを獲得した出口クリスタが自身のインスタグラムに、誹謗中傷に抗議するメッセージを掲載。韓国メディアが、この事態には韓国からのメッセージが原因にあるとし、自国ファンを「外れた愛国心」と批判する異例の事態となっている。

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　出口は自身のインスタグラムのストーリー機能を使って「コメント欄を見ていて悲しくなるし私が戦ってきた選手に対してあまりにも申し訳ないのでここにコメントさせてもらいます」と書き出している。続けて「選手を庇いたくなる気持ちも分かるけどこういう所での不毛な争いは国や選手、色んな人を巻き込んでマイナスなイメージを植え付けるだけで得する人は誰一人としていないです」とつづった。メッセージは日本語と英語で掲載された。

　このメッセージを出す要因に、韓国からの誹謗中傷があったとみられる。決勝で戦った相手は韓国のホ・ミミで、延長戦の末に決着がつく際どい戦いだった。韓国メディア「文化日報」は「外れた愛国心…韓国ネチズン、ホ・ミミを破ったカナダ選手に悪意のあるコメント」という記事を掲載した。

　記事は、韓国のネットユーザーが「ホ・ミミを押しやって金メダルを獲得した出口に悪意のあるコメントを送った。出口はネチズン（ネットユーザー）たちに自制を要請した」として、出口のメッセージを伝えている。さらに「韓国ネチズンが国際大会の結果に不満を抱いて、SNSに悪意のあるコメントを送ることはしばしばあった」として2018年の平昌五輪の際、ショートトラックの決勝で韓国選手と衝突したカナダ選手に誹謗中傷が殺到した例を紹介している。