大坂なおみ撃破の32歳は引退危機だった 病魔で見た地獄「もう、どうでもよかった」
418位まで転落も運転免許に通い取り戻した愛情「テニスの世界も同じ。集中力が必要」
フィンランドで凍った道路を運転するための免許センターにも通い、2008年北京五輪の男子円盤投げ金メダリスト、ゲルト・カンター(エストニア)とトレーニングをする以外はテニスのことを忘れた日々だったという。
そして、いつしか、テニスへの愛情を取り戻した。
「凍りついた通りを運転するときは気をつけなければいけないの。テニスの世界でも同じね。集中力が必要。テニスよりも、ドライブの方が今では才能があるかもしれない。でも(氷上運転とテニスが)相乗効果をもたらすように努力しているの」
一時はランキングを418位まで下げながら、今大会は予選から勝ち上がり、3回戦は勝負所でミスを犯した大坂とは対照的に極限集中力を発揮。逆転勝ちに結び付けた。
一時は回復すら諦めるほどの地獄を見ながら、病魔の絶望に打ち勝った32歳の集中力こそが、新進気鋭の大坂を倒した大きな要因だったかもしれない。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer