初戦突破の渡辺&東野、スーパープレーは反省点? 「凄いように見えるけど実際は…」
バドミントン世界選手権(スイス、バーゼル)は、20日に第2日を行い、混合ダブルスで世界ランク3位の渡辺勇大、東野有紗(日本ユニシス)は、2-1(21-13、19-21、21-16)で初戦を制し、3回戦に駒を進めた。
混合複で日本勢初のメダルへ、東野は「1回戦を突破できて良かった」と安堵
バドミントン世界選手権(スイス、バーゼル)は、20日に第2日を行い、混合ダブルスで世界ランク3位の渡辺勇大、東野有紗(日本ユニシス)は、2-1(21-13、19-21、21-16)で初戦を制し、3回戦に駒を進めた。
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相手は、世界ランク17位のインドネシアペア。第1ゲームは、互いに早いタイミングで球を捕まえる展開だったが、後衛の渡辺がスマッシュとネット前に落とすドロップを巧みに使い分けて得点を重ね、21-13で先取した。しかし、第2ゲームは、序盤で6-11と突き放され、終盤も追い上げも実らず19-21。ファイナルゲームは、互いに連続得点を奪い合う展開。前半で13-4と突き放したが、17-7から7連続失点で追い詰められて苦しんだ。しかし、最後は20-16から渡辺のスマッシュを相手が返し切れず、21-16で勝ち切った。
混合ダブルスは、日本が不得手にして来た種目だ。世界選手権で唯一、メダルを獲得していない。しかし、渡辺、東野は、昨年の全英オープンを制すなど格付けの高い大会で結果を残しており、今大会ではメダル獲得の期待がかかっている。男子顔負けのジャンピングスマッシュを連発していた東野は「少し緊張する場面はあったけど、すごく楽しみにしていた大会なので、1回戦を突破できて良かった」と安堵の表情を見せた。
渡辺が「相手もすごく上手くて速いペア」と話したとおり、高速ラリーが多く見応えのある試合内容だったが、中でも渡辺が見せたプレーは、観衆を盛り上げた。第2ゲームの13点目は、バックハンドのクロススマッシュ。ギリギリ追いついた球を強打されてレシーブでこらえ、次に来た高い球を、身体を回転させながらスナップを効かせたスイングで対角に打ち込むという意表を突くスーパープレーに、惜しみない拍手が送られた。BWF(国際バドミントン連盟)もすぐさまツイッターで「とんでもないバックハンドがさく裂した」とダイジェスト映像を流したほど。ほかにも、ファイナルゲームの9点目は、ダイビングレシーブ2連発でピンチを救い、相手コートの奥に返した球を相手が見逃して得点となった場面も会場が沸いた。
しかし、渡辺は冷静に「すごいように見えるけど、実際は劣勢。過程は良くないのかなという反省点はある。けど、1点になるというのは、すごく大きなこと」と振り返った。劣勢をばん回するスーパーショットだったが、主導権を握って勝ち上がることを目指していると考えれば、使わずに点が取れていればもっと良いということだ。次戦では、世界ランク13位のアドコック夫妻(イングランド)と対戦する。勝てばベスト8でメダルに王手。次は危なげなく勝つのか、再びスーパーショットで劣勢をはねのけるのか。どんなプレーを見せるか楽しみだ。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)