傷だらけの国産車に刻んだ「挑戦の証」 日本人学生が欧州レースで奮闘、プロ基準を知った極限の10日間
佐藤琢磨も刺激を受けた、学生たちの「確固たる覚悟」
修復されたシビックは最終ステージ、モンテカルロ名物の「チュリニ峠」へ向かう。佐藤はここで、学生たちの情熱に応えるべく勝負に出た。
「スペアタイヤも工具も全部下ろして、全開に次ぐ全開で行った。彼らの挑戦の証をどうしても見せたかった」
小さなシビックがエンジンを7000回転まで回して雪の残る峠を駆け上がる。前を走るBMWやフェラーリ、アウディを次々とパス。傷だらけの小型車がパワーで勝るマシンを追い抜く走りは、学生たちの整備の成果でもあった。
佐藤はプロジェクトをこう総括する。
「挑戦とは結果がすべてではない。限界に向き合って失敗しても、どんな困難があっても乗り越えられる。これこそが価値のある経験です」
そして、自身の次戦についても言及した。
「若い20代の子たちと一緒にやってきて、絶対に下を向かない確固たる覚悟は、自分よりもあるんじゃないかと感じた。自分もドライバーとして成長した気がするし、みんなとやれたことで、もっと頑張っていかなきゃいけないと思った。この思いを持って、今年のインディ500は全力でトップを目指したい」
極限の現場でのアクシデントと、それを乗り越えた経験。学生たちが手にした実践的な力と自信は、世界のトップで戦い続けるレーシングドライバーにも刺激を与えていた。
(生島 洋介/ Yosuke Ikushima)
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