米野球殿堂入り式典に出席

　マリナーズなどで米大リーグで通算3089安打をマークし、アジア選手初の米野球殿堂入りを果たしたイチロー氏が27日（日本時間28日）、ニューヨーク州クーパーズタウンで表彰式典に出席した。スピーチのラストで、妻・弓子さんへ捧げた2分超におよぶ感謝の言葉には反響が寄せられ、X上の日本人ファンは「涙腺がゆるゆる」「泣いてしまう」と胸を打たれていた。

　米専門局「MLBネットワーク」で生中継されたスピーチ。スーツ姿で登場したイチロー氏は、英語で語りつくした。最終盤には「日本人初のMLB野手になる時、疑念以上のものがありました。批判もあり、ある人は『日本人に恥をかかせるな』と私に言ってきました。私を最も支えてくれたのは妻の弓子です」と発言。日本人選手として厳しい戦いをそばで支えてきた夫人に感謝した。

　中継カメラに抜かれた弓子さんも微笑みを浮かべる中、イチロー氏は「彼女も同じように疑いを持つのが自然だと思いますが、私はそれを一度も感じませんでした。常にサポートし、勇気づけてくれました。メジャーリーグでの19年間、家庭がいつもハッピーな場所であるようにしてくれていました。選手として安定したプレーを心がけていましたが、妻は私のチームメートの中で一番安定感のある人物です」と、感謝のメッセージを続けた。

　引退後の仲睦まじいエピソードも披露。選手時代には出来なかった「デートナイトを過ごしました」と明かし、古巣マリナーズ戦を客席で楽しんだと回想。「アメリカ流にホットドッグも食べました。私がここに立つのを最も支えてくれた人と一緒に、ホットドッグを食べながら一ファンとして野球を楽しめたことは、野球がくれた経験の中で最も特別なものでした」と話し、会場は拍手喝采に包まれていた。

　スピーチの最後に、妻へ2分以上に渡る“特別なプレゼント”を用意していたイチロー氏。胸打たれた日本人ファンが続出し、X上では「英語スピーチにグッときました。弓子夫人への感謝の部分で涙腺がゆるゆる」「泣いてしまうよ」「良い話」「弓子とホットドッグのくだりで目頭が熱くなった」などと、感動が広がっていた。