卓球USスマッシュ

　卓球の国際大会、USスマッシュが12日（日本時間13日）、米ラスベガスで行われた。男子シングルス準決勝で、世界ランク4位の張本智和（トヨタ自動車）が、同1位の林詩棟（中国）と対戦。4-3（11-7、11-9、10-12、9-11、7-11、11-5、11-6）で撃破して決勝に進出した。

　フルゲームの死闘を制した日本のエースが、客席へ投げキッスを繰り返した。世界1位の難敵を撃破。格の高いグランドスマッシュ初優勝に王手をかけた張本は、コート上のインタビューで胸を張った。

「本当に強い相手で何度もくじけそうになったけど、自分の持っている技術、戦術全て出し切ろうと思って6ゲーム目、7ゲーム目、戦術変更できた。自分の総合力が良かった」

　2ゲーム連取する絶好の立ち上がりも、ここから3ゲーム連続で落として崖っぷちに。第6ゲームを奪って3-3に戻すと、第7ゲームの開始前には係員に何か声をかけて、一度コートを後にした。

　会場が騒然とする中、国際映像の実況席が「何かをこぼし、ウェアの交換をするためのようだ」と伝える珍事。コートに戻った張本は、第7ゲームを制した。

　決勝は世界2位の王楚欽（中国）と激突。開催地のラスベガスはカジノで有名で、ラッキーな人間が億万長者になる。張本は「このラッキーな町で、このラスベガスでみなさんの力も借りて、全力を出し切って奇跡を起こしたい」と決戦を見据えていた。