13歳張本智和、悔し涙に詰まった“成長の跡”「2、3年前は考えられなかった」
勝てたという悔しさが形となった涙「次の大会は一つでも多く勝てるように」
世界選手権(デュッセルドルフ)では史上最年少8強入り。準々決勝で世界ランク3位の許シン(中国)と対戦。敗れはしたが、1ゲームを奪うなど、世界のトップ選手と渡り合うシーンもあった。
代えがたい財産となった世界選手権を経て迎えた今大会。「試合中の余裕は許シンの方があったけど、技術は(梁靖崑も)同じだった」。そんな難敵に対し、第3ゲームの1-2ではこの日一番のラリーを粘ってものにし、「チョレイ!」を絶叫。16-14の大接戦の末に唯一、ゲームを取った。
「許シンは分かっていても取れないボールがあったけど、今回はそういう部分で予想もできた。ドイツでの経験を生かせたと思う」。涙が伝った顔にはどこか充実感もあった。
「中国選手に負けて泣くなんて、2、3年前だったら考えられなかった」
全く手の届かない相手だったら流れることはなかっただろう、涙。中国勢にも勝てたはず――という悔しさが形となって頬を伝った。
その後、木造勇人とのペアで挑んだ男子ダブルスも1回戦敗退。早すぎる終戦となったが、次週の中国オープンに向いている。
「世界選手権では勝てたけど、いつも勝てるわけじゃない。こういう時もある。次は一つでも多く勝てるようにもっと強くなりたい」
まだ成長の余白は十分にある。「成長の涙」を糧に、13歳の怪物はさらなる飛躍を遂げる。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer