張本智和、「洗礼」に散る 世界3位の意地「若者というだけでタイトル与えられない」
「世界の洗礼」浴びせられた13歳「メダルとそれ以外は一緒。やっぱり悔しい」
第1ゲームを9-11で先取された。第2ゲームこそ11-6で取ったが、流れは呼び戻せず、3ゲーム連続で奪われて終戦。史上最年少となる表彰台には届かなかった。
「世界選手権で戦っている全員がタイトルを目指している。若者というだけで、彼にそれを与えるわけにはいかない」
試合後、27歳の許キンはこのように語り、トップ選手の意地を明かしたという。13歳の少年は世界の洗礼に屈する形となった。
今大会、2回戦で日本のエース・水谷隼を破り、ITTFは「衝撃的な番狂わせだ」と特集。「ハイパー・アグレッシブなスタイルが彼を引き上げた」と下剋上の要因を分析し、史上最年少で8強入りを決めると「優勝候補だ。この少年は只者ではない」と称賛された。一つ勝つごとに記録がついて回る年齢が注目されたが、許キンの言う通り、世界の頂には若さだけではたどり着けない。
それは「卓球には年齢は関係ない」という本人が一番理解している。敗戦後には「ベスト8もうれしいけど、メダルとそれ以外は一緒。やっぱり悔しい」と語った。
誰も成し遂げられなかった領域でつかんだ経験をバネにして、いつか世界トップ選手を超えられるように――。さらに成長を続けていくしかない。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer