1147億円ソトは「払いすぎ」1014億円大谷は「バーゲン」 2つの契約の最大の違いを米投資家指摘
米大リーグでは、今オフのフリーエージェント(FA)市場で目玉とされていたフアン・ソト外野手が、メッツと15年総額7億6500万ドル(約1147億円)という巨額で契約したと報じられている。昨オフに大谷翔平投手がドジャースと交わした10年総額7億ドル(約1014億円=当時)を超える、世界のプロスポーツ史上最高額だ。ただこの2つの契約については片や払いすぎ、片やお買い得という声が上がっている。米国の投資家がその違いを生む“からくり”について解説した。
2つの契約の運命を分ける「後払い」の有無
米大リーグでは、今オフのフリーエージェント(FA)市場で目玉とされていたフアン・ソト外野手が、メッツと15年総額7億6500万ドル(約1147億円)という巨額で契約したと報じられている。昨オフに大谷翔平投手がドジャースと交わした10年総額7億ドル(約1014億円=当時)を超える、世界のプロスポーツ史上最高額だ。ただこの2つの契約については片や払いすぎ、片やお買い得という声が上がっている。米国の投資家がその違いを生む“からくり”について解説した。
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米国のスポーツビジネス起業家で、投資家でもあるジョー・ポンプリアーノ氏は自身のXに「フアン・ソトの7億6500万ドルの契約は狂気じみている。そしてショウヘイ・オオタニの契約と比べるとさらに信じられない」という言葉とともに、解説動画を公開した。この中でソトの契約については「払いすぎ」と断言。「ソトが悪い選手と言っているのではない。彼はすさまじいし、世代を超えた才能の持ち主であり、若い。でも払いすぎだと言ったのは、これでオオタニの契約がバーゲンのように見えるからだ」と、大谷との比較が判断の理由であるとした。
この2つの契約の最大の違いは“後払い”の有無にある。大谷の契約は大半が後払いとなっている一方、ソトには一切ないとされている。ポンプリアーノ氏は、大谷の契約形態が「なぜドジャースにこんなアドバンテージを与えるのか、2つの契約の実情を見てみよう」とした。
大谷は総額7億ドルの契約を結んでいるものの、この額はMLB機構には「将来のキャッシュフローの現在価値に基づいて」評価される。実際には4億6000万ドル(697億円)と評価され、年俸総額の高い球団に課される“ぜいたく税”はこちらの金額を元に算出される。ポンプリアーノ氏は「マイク・トラウト(エンゼルス)より少し高いくらいだ」と表現。トラウトの現在の契約は、2019年の開幕前に延長した12年総額4億2650万ドル(約646億5000万円)だ。
この仕組みで浮かせた資金を、投資に回すことができる。「ドジャースを運営しているグッゲンハイムは、3350億ドル(約50兆7800億円)の資産運用を行っている。彼らなら、次の10年間で平均的にうまく運用できる限り、投資することでオオタニのような選手のコストを削減できる可能性がある」と、投資によるリターンで大谷を保有するコストをさらに下げられるとしている。
ポンプリアーノ氏は、一方でメッツとソトの契約について「繰り延べ金が一切ない。オプトアウトを行使すれば8億ドル(約1212億円)に引き上がる可能性もある」とデメリットを指摘。現在MLB球団では、メッツだけが年間収益よりも年俸総額が高くなっているというリストを示し「(メッツの)スティーブ・コーエンはお金を失う唯一のオーナーとなる」と心配している。
(THE ANSWER編集部)