平野美宇、世界1位・丁寧に完敗 中国の徹底研究に屈し銅メダル 48年ぶりVならず
卓球の世界選手権(デュッセルドルフ)は3日、女子シングルス準決勝でアジア女王の世界ランキング8位・平野美宇(エリートアカデミー)がリオデジャネイロ五輪金メダルの世界1位・丁寧(中国)に1-4で完敗し、4強で敗退。アジア選手権で破って以降、徹底して研究を重ねてきた中国の世界女王に雪辱を許し、48年ぶりの金メダルを逃した。3位決定戦は行われないため、銅メダルが確定した。
女子単準決勝、リオ金の女王に1-4で雪辱許す…「攻めの平野」封じられる
卓球の世界選手権(デュッセルドルフ)は3日、女子シングルス準決勝でアジア女王の世界ランキング8位・平野美宇(エリートアカデミー)がリオデジャネイロ五輪金メダルの世界1位・丁寧(中国)に1-4で完敗し、4強で敗退。アジア選手権で破って以降、徹底して研究を重ねてきた中国の世界女王に雪辱を許し、48年ぶりの金メダルを逃した。3位決定戦は行われないため、銅メダルが確定した。
史上最年少のアジア女王が、最強の世界女王に屈した。平野がリベンジを狙った丁寧に敗戦。日本女子48年ぶりVへの道は、セミファイナルで断たれた。
序盤から圧倒された。第1ゲームは攻めの平野に対し、丁寧が応戦。平野に要所でミスが出て、4-11で落とした。第2ゲームも激しいラリーとなっても丁寧に粘られ、8-11で2ゲーム連取を許した。第3ゲームも5-11と圧倒されたが、第4ゲームは11-5と一矢報いたが、第5ゲームで力尽きた。
最後は9-5からポイントを奪った丁寧がガッツポーズを繰り出して雄たけびを上げ、勝利と勘違い。審判に握手に向かった後に気づき、バツが悪そうな顔を浮かべた。冷静沈着な世界女王がポイントを忘れるほどの死闘だった。
王国が本気になって襲い掛かってきた。
平野は4月のアジア大会準々決勝で丁寧を撃破。世界に衝撃を与えた大金星から一気に世界1、2、5位の中国勢を破り、史上最年少で制した。地元で屈辱を味わった中国は、今大会に向けた代表合宿で練習相手にライバルのコピー選手を23選手招集した。
なかでも、最多4人の「仮想・平野」を用意。練習中にはアジア選手権で敗れた試合映像を繰り返し流すなど、徹底して「打倒・平野」を貫いてきた。研究された日本の17歳は、本気の王国に屈する形となった。
それでも、平野は初出場ながら破竹の快進撃で準決勝に駒を進め、日本勢では48年ぶりの銅メダルを獲得した。2020年東京五輪の星と期待される17歳。「マーベラス・ミウ」は負けてまた強くなる。
【了】
ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer