プレシーズンマッチ

　北米プロバスケットボール（NBA）のグリズリーズとキャンプ招待契約にあたる「エグジビット10」を結んでいる河村勇輝は7日（日本時間8日）、マーベリックスとのプレシーズンマッチに途中出場。9分16秒の出場で5得点3アシストを記録した。大きな一歩を踏み出した日本の司令塔に、米記者も熱視線を送っている。

　98-99で迎えた第4クォーター残り9分16秒から出場した河村は、コーナーでボールを受けるとすぐさま3Pシュートで初得点を記録。その後もドライブで相手のファウルを誘発するなど、121-116の勝利に貢献した。この活躍に対し、「ユウキは間違いなくメンフィスで驚異的なものになるだろう」と、地元メディアの解説者、マイケル・ウォレス氏は賛辞を送っている。

　米テネシー州地元メディア「グラインド・シティー・メディア」の公式Xで河村について語ったウォレス氏は、「彼と一緒にいると本当に楽しいよ。彼はこの機会に何をもたらすべきかを理解している。自己管理の方法や、チームメートとの関わり方なんかを。チームメートの心を引きつけているよ」と、河村がチーム関係者の信頼を勝ち取っている事を明かした。

　またプレーに関しても「1週間前のトレーニングキャンプの最初の練習試合でユウキはザック・イディーに突っ込んでいったんだ。ザック・イディーもなるほど、これが今の彼のプレーかという感じ。恐れ知らずで、楽しんでいて、エネルギーにあふれたプレーだ」と絶賛した。

　デビュー戦に関しても「NBAで初めてのシュートで、コーナーからスリーポイントを打ったとき、ベンチにいた全員とその後ろのセクションが立ち上がって応援し始めた」と、初の対外試合でも、アグレッシブなスタイルで、仲間の心を掴んだことを強調した。

　続けて「私は先週のトレーニングキャンプで彼に感銘を受けたんだ。彼はあまり英語を話さないけど、彼のそばにいることを心地よく感じてもらおうとしている。そのために毎日英語に取り組んでいる。しかも集まったアジアのメディア関係者に話す前に、我々に英語でインタビューするように頼んだんだ」と、普段からNBAに順応しようとする姿勢に感心を受けていた。

「こういった姿勢を続ければ、それがコート上だけでなく外でも彼の姿を物語るものとなる。ユウキは間違いなく、メンフィスで驚異的なものになるだろう」と結んだウォレス氏。日本人4人目のNBA選手誕生へ向け、河村はコート内外でアピールを続けていく。