大谷が迫る“50-50”の価値疑う声も… 米放送局がネガティブな意見に大反論「なぜ楽しみ奪う」
米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手は11日(日本時間12日)、本拠地カブス戦の初回に今季47号ソロを放ち、2回には48個目の盗塁を決めた。前人未到の「50-50」が近づく中、大谷の盗塁がこれほど増えているのは、昨季からの“新ルール”のためなのではとその価値を疑う声があるのだという。米放送局はデータでこれに真っ向から反論。「どれほどすごいことか」と賛辞を並べた。
昨季の20個が48個、ベース拡大やけん制制限と関係ある?
米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手は11日(日本時間12日)、本拠地カブス戦の初回に今季47号ソロを放ち、2回には48個目の盗塁を決めた。前人未到の「50-50」が近づく中、大谷の盗塁がこれほど増えているのは、昨季からの“新ルール”のためなのではとその価値を疑う声があるのだという。米放送局はデータでこれに真っ向から反論。「どれほどすごいことか」と賛辞を並べた。
昨季からのルール変更で、直接盗塁に関わるものは2つある。ベースの大きさが15インチ(約38.1センチ)四方から18インチ(約45.7センチ)四方になり、塁間の距離が4.5インチ(約11.4センチ)短くなったこと。さらに投手のけん制が2回までに制限されたことだ。そのため、以前より盗塁しやすくなり、価値が下がっているとの声がある。
これに真っ向から反論しているのが、米スポーツ専門局「CBSスポーツ」だ。マット・スナイダー氏が「ショウヘイ・オオタニのMLB史上初の50-50シーズンは、これ以上ないほど特別なもの」という記事で「今は以前より簡単に盗塁できるようになったため、これらの記録は盛大に祝うに値しないという不満があふれている」と世間の“空気”を紹介した。
ただ、盗塁が簡単になったという指摘は正しくないのだという。「単に1980年代や1990年代のレベルに戻っただけだ。もしそうだとしたら、なぜトップ選手は62個以上の盗塁を達成していないのか。なぜ40個を超えた選手は3人だけなのか。30個を超えた選手はたった9人だけだ」として、過去に「40-40」達成選手が出たシーズンの1試合当たりのチーム盗塁数と、今季のそれを比較している。
ホセ・カンセコ(アスレチックス)が記録した1988年が0.79、バリー・ボンズ(ジャイアンツ)の1996年が0.71なのに対し、今季は11日時点で0.74とほとんど変わらず「最近の記録を無視しなければならないほど、盗塁が爆発的に増加したと示すものは何もない」と主張している。
さらに、そもそも大谷ほどのパワーとスピードを兼ね備えた選手が少ないことを、50本塁打と50盗塁の双方を記録した選手がボンズとブレディ・アンダーソン(オリオールズ)しかおらず、逆に50盗塁したことがあっても、20本塁打したことがある選手は22人しかいないという例を挙げて紹介し、その“希少性”を高く評価している。
その上で、昨季20個だった大谷の盗塁急増を「5~6日に1回投球しなくなったことで、フレッシュさが増したからだ」と結論付けている。大谷の偉業を「DHとして史上初のMVPを獲得しようとしている」「1シーズンで50本塁打と50盗塁を達成した最初の選手になる。それがどれほどすごいことか、認めてもいいだろう」と称え、記録の価値を下げようとする声には「なぜネガティブなことで、楽しみを奪うのだろう? 麻痺しないようにしてくれ。これは歴史的に素晴らしいことだ。ただ、その偉大さを目の当たりにし、楽しんでくれ」と望んでいる。
(THE ANSWER編集部)