甲子園V京都国際と韓国プロ球団の絆 「球は部員がテープで修繕」の話聞き1000個寄付、今後も支援へ
第106回全国高校野球選手権大会は23日、甲子園球場で決勝戦を行い、京都国際(京都)が関東第一(東東京)を延長10回タイブレークの末に2-1で破って初優勝を飾った。夏の甲子園3度目の出場でつかんだ初栄冠を“現物支援”で支えた韓国プロ球団から、継続支援の声が上がっている。
KIAタイガース、今春キャンプ後に大量のボールを寄付
第106回全国高校野球選手権大会は23日、甲子園球場で決勝戦を行い、京都国際(京都)が関東第一(東東京)を延長10回タイブレークの末に2-1で破って初優勝を飾った。夏の甲子園3度目の出場でつかんだ初栄冠を“現物支援”で支えた韓国プロ球団から、継続支援の声が上がっている。
韓国南部・全羅道の地方紙「南道日報」が伝えたもの。光州を本拠地にするKIAタイガースは今春、高知県で2軍キャンプを行った。ここを訪れたシム・ジェハク団長(GMに相当)が偶然、京都国際高の厳しい環境を知ったのだという。
選手が破れたボールまで修繕、リサイクルしているという話を聞き、2軍キャンプ終了後にまだ使えるボール1000個を集め、京都国際へ贈った。当時のパク・キョンス校長はKIAへ送った感謝の手紙の中で「野球ボールはとても貴重で、いつもは部員がビニールテープで修繕して再利用しています」と現状をつづっている。
記事は「国内10個のプロ野球チームのうち、京都国際高を現物支援したのはKIAが唯一だ」と伝えた。さらにシム・ジェハク団長は「京都国際高が甲子園の決勝に進出したことで我々の球団が支援したと知られることとなった。チョ・ジュニョン代表取締役も、良い縁を続けられればとしている」「無理なく、練習道具などを我々の球団が支援する方法を検討していく」と、支援の継続を明らかにしている。
京都国際高は1947年に開校した京都朝鮮中が前身。その後1958年には京都韓国学園となり民族教育を行ってきた。2003年には日本の学校教育法による認可を受け、翌年から現在の校名になった歴史があり、日本語、英語、韓国語のトリリンガル教育を掲げている。そのため、今回の甲子園優勝は韓国でも大きな注目を集めている。
(THE ANSWER編集部)