今永昇太はMLBの打者をなぜ抑えられる? 数値が示す直球の“異常な価値”…防御率トップの理由
米大リーグ、カブスの今永昇太投手は8日(日本時間9日)現在、防御率1.08とメジャートップの成績を残している。3、4月の月間最優秀新人にも輝くなどその名が徐々に知れ渡っているが、なぜこれだけメジャーの打者を抑えられるのか、その秘密をMLB公式も興味津々に解明している。
MLB公式も興味津々…今永の速球はMLBで最も失点を防げる球種
米大リーグ、カブスの今永昇太投手は8日(日本時間9日)現在、防御率1.08とメジャートップの成績を残している。3、4月の月間最優秀新人にも輝くなどその名が徐々に知れ渡っているが、なぜこれだけメジャーの打者を抑えられるのか、その秘密をMLB公式も興味津々に解明している。
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MLB専門局「MLBネットワーク」の番組「MLBナウ」の公式Xは、今永の直球を現在の大リーグで最も価値の高い球種として紹介した。今永の4シームが「11」で1位。2位はグラスノー(ドジャース)の4シームで「9」、以下バーンズ(オリオールズ)のカットボールが「9」、グリーン(レッズ)の4シームが「8」と続く。
この数値はピッチランバリューと呼ばれる指標で「ある投手が投げた特定の球種が、得点期待値(ランバリュー)を減らすのにどれだけ効果的か」を示している。端的に言えば、今永の4シームはメジャー全体の平均より11点多く防いだということになる。
ところが今永の4シームは平均92マイル(約148キロ)なのに対し、グラスノーの4シームの平均は96.3マイル(154.9キロ)もある。なぜこれだけ“遅い”球で抑えられるのか。MLB公式サイトは分析記事を掲載した。
記事によれば、今永が比較的低い位置でボールを離していることが重要なのだという。毎分2424回転という高い回転数を誇り、バックスピンがかかっているため予測されるボール軌道から浮き上がるような動きを見せる。そのため「打者は今永の速球が、実際の位置よりも低い位置にたどり着くように錯覚する。これが90マイル前半でしかないボールが打たれない大きな理由だ」とした。
さらに、米国に渡ってから投球スタイルが変化しているのも大きい。カブスは今永が、直球を高めに投げることを奨励しているという。ボールは低めに集めるという考えがまだ根強い日本球界とは逆の発想だ。「ゾーン高めは、ライジングファストボールがMLBの打者に対してしばしば最良の効果を発揮する場所だ。そして現在の今永は、フォーシームをほぼ60%の割合で高めに投げている」として、大リーグに適応するための変化を高く評価した。
(THE ANSWER編集部)