北中米W杯アジア2次予選

　サッカーの北中米W杯アジア2次予選が21日に各地で行われ、C組の中国はアウェーでシンガポールと2-2で引き分けた。同日開催の韓国―タイも引き分けに終わったことで、中国は同組3位のまま。3次予選進出も危ぶまれる中、試合後に主将が突然、代表引退を表明。「代表チームでの自分のキャリアを終わらせる時がきた」「シンガポールに勝つことすらできない。個人的には恥辱」などと語ったことを中国メディアが報じている。

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　アジアカップでグループリーグ3試合で2分け1敗、無得点という内容で敗退した中国。2023年2月に就任したばかりのアレクサンダル・ヤンコビッチ監督を大会後に更迭し、アジア杯でオマーンを率いていたクロアチア人のブランコ・イバンコビッチ氏を招聘して、新体制で臨んだ。

　試合は前半10分と同終了間際にエースFWウー・レイが連続得点して、中国が2点リードで折り返し。だが後半はシンガポールの猛攻を受け、7分、36分に失点すると逆襲に転じることができずに引き分けた。

　アウェーとはいえ、国際サッカー連盟（FIFA）ランキング156位で同組最下位のシンガポール相手に、痛恨のポイントロストとなった同79位の中国。さらに衝撃の展開が試合後にあったようだ。中国メディア「新浪体育」は34歳の主将チャン・リンペンが“代表引退”を明かしたことを報じている。

　記事では「フル出場したDFチャン・リンペンは引き分けという結果に失望を隠せなかった。チャンは試合後ミックスゾーンで『試合後、ずっと考えていたのだが、代表チームでの自分のキャリアを終わらせる時がきたと思う。代表チームは今やシンガポールに勝つことすらできない。個人的には恥辱だ。試合中に問題が生じたときのチームの解決策を私は受け入れられない。ファンには申し訳ない』と語った」と伝えている。

　試合内容について「今年5月で満35歳になるベテランのチャンはキャプテンとして先発し、フル出場した。シンガポールのゴールの1つは彼のクリアの不十分さにある程度関係していたとはいうものの、データから見て、彼は今も中国チームの守備陣において最高のパフォーマンスを見せる選手の一人だ」とチャンの必要性に言及。

　その上で「チャンの現在の身体的状況を見れば、代表チームの一員としてプレーを続けることは十分可能だ。W杯予選途中での『代表引退』言及は、中国代表チームの現状に対する彼の失望といかんともしがたい気持ち、無力感の現れであったと言うことができるだろう」と推察している。