12月20日、来てしまった最後の1日 ZOZOマリンに別れ告げた継続33年・谷保恵美さんに相次ぐ感謝
プロ野球・ロッテの本拠地ZOZOマリンで、12月20日に異例の引退会見が開かれていた。報道陣と向かい合って座っていたのは選手ではなく、33年もの間、場内アナウンス担当を務めてきた谷保恵美さん。この日が最終出社日で、最後の1日に広報カメラが密着。最後は球場外で“選手たち”の協力もあって花道を作り、レジェンドが送り出された。
ロッテのレジェンドアナウンス担当・谷保恵美さんの最終出社日
プロ野球・ロッテの本拠地ZOZOマリンで、12月20日に異例の引退会見が開かれていた。報道陣と向かい合って座っていたのは選手ではなく、33年もの間、場内アナウンス担当を務めてきた谷保恵美さん。この日が最終出社日で、最後の1日に広報カメラが密着。最後は球場外で“選手たち”の協力もあって花道を作り、レジェンドが送り出された。
語尾を伸ばす独特のアナウンスと美声で、ZOZOマリンの名物的存在として野球ファンに愛された谷保さん。レギュラーシーズンだけで2100試合を担当した鉄人は、33年目の今季限りで場内アナウンス担当を引退。12月20日が最終出社日だった。
出社時からカメラに密着された谷保さんは「雨の日も風の日もここ(球場までの道のり)を歩いてきた。仕事でこの道を通勤することはないんですもんね。寂しいですね」と思い出を振り返りながらしんみりした雰囲気も。「楽しかったなぁ」とシーズン中の盛り上がりも思い出していた。
90年にロッテオリオンズ入社。91年から2軍の球場アナウンスを担当し、94年からは主に1軍本拠地で選手たちとともに戦い続けた。96年10月1日の近鉄25回戦以降は、1試合も休むことなく連続担当を継続した。球団事務所、球場ロビーなどで職員から労われた後は思い入れのある放送室へ。最後の担当になったCSのソフトバンク戦を思い出し「大騒ぎしました。『谷保さん、立ち上がってましたよ』って言われました」と藤岡の同点3ラン、安田のサヨナラ打で劇的に勝利した“幕張の奇跡”の裏側も明かした。
職員としては異例の「引退会見」にも臨んだ谷保さん。拍手で迎えた報道陣を前に「マリンスタジアムに通った30数年間、思い出しましたね。雨の日も風の日も、ちょっと駅から遠いなって思っていたんですけど、もう通わないのかなと寂しくなりました」と心境を語った。花束を受け取り、最後は球場正面に設置されているマリーンズ選手たちが並んだボードで挟む形で作られた花道を通過。“選手たち”にも見送られ、最後の1日が終わった。
実際の映像は球団公式YouTubeで公開されており、「長い間お疲れさまでした」「マジで寂しいです」「“いつも通り”の景色を、30年間ありがとうございました」「来年はライトスタンドで一緒に肩を組んで歓喜の歌を歌いましょう」「谷保さんがいないマリンが想像できない」「次のステップも応援してます」などとファンから感謝と労いの声が集まっている。
(THE ANSWER編集部)