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ウルフ・アロンが無念の敗退 パリ五輪代表落選の窮地「苦しい2年間。今は深く考えられない」

柔道のグランドスラム(GS)東京大会第2日が3日、東京体育館で行われた。男子100キロ級では、東京五輪金メダルの27歳ウルフ・アロン(パーク24)が準々決勝で敗戦。直後の敗者復活戦でも一本負けだった。連覇を目指す来年パリ五輪代表争いで崖っぷちに立たされていたが、最終選考会と目された大会で勝ち切れなかった。

ウルフ・アロン【写真:Getty Images】
ウルフ・アロン【写真:Getty Images】

柔道グランドスラム東京

 柔道のグランドスラム(GS)東京大会第2日が3日、東京体育館で行われた。男子100キロ級では、東京五輪金メダルの27歳ウルフ・アロン(パーク24)が準々決勝で敗戦。直後の敗者復活戦でも一本負けだった。連覇を目指す来年パリ五輪代表争いで崖っぷちに立たされていたが、最終選考会と目された大会で勝ち切れなかった。

 ウルフは1回戦で一本勝ち(支釣込足)、2回戦で技あり(肩車)の優勢勝ち、3回戦は合わせ技(大内刈+大外刈)で一本勝ちした。しかし、イタリア選手との準々決勝は先に指導2つを取られ、4分で決着がつかず。ゴールデンスコア方式の延長戦で技ありを取ったかと思われたが、取り消された。7分過ぎに3つ目の指導を取られて敗戦。がっくりと肩を落とした。

 敗者復活戦でも延長戦へ。背負投げを浴びて一本負けすると、無念の表情を浮かべ、なかなか立ち上がれなかった。取材エリアでは汗だくのまま、淡々と言葉を並べた。

「本当に優勝を目指してやってきて、準々決勝で負けてしまって気持ちを切り替えられず、敗者復活戦でも負けてしまった。ここで勝ってパリ五輪を決めるつもりだったし、状態は悪くない。その中で競り負けたのは足りなかったということ」

 24年パリ五輪代表は男女14階級のうち、男子は60キロ級と100キロ級、女子は63キロ級と78キロ級の4階級で未決定。男子100キロ級と女子78キロ級は結論が持ち越される可能性もあるが、今回が実質的な最終選考会と目されていた。代表はこの日の全競技終了後、全日本柔道連盟の強化委員会で協議される。

 ウルフは21年東京五輪で金メダリストに輝いた。大会後は柔道の魅力を伝えるため、テレビ出演などに奔走。1年以上のブランクを経て、畳に帰ってきた。今年4月の全日本選抜体重別選手権を制したが、国際大会では優勝なし。9月の杭州アジア大会も準々決勝で敗退した。この日は「この2年間はうまく勝つことができず、もどかしい気持ち。苦しい時期だった」と回顧。「いい2年間だったとは言えない。苦しい2年間だった」と振り返った。

 一方、代表争い1番手の25歳・飯田健太郎(旭化成)は、世界選手権で3年連続入賞なし。同階級の代表争いは混迷を極め、2人の今大会成績が注目されていた。

 この日は、世界ランク27位の飯田が2回戦で同8位のモンゴル選手に一本負け(支釣込足)。ウルフには追い風だったが、代表候補の一人でもある18歳の新井道大(東海大1年)が2回戦で世界選手権王者アルマン・アダミアンに一本勝ち(大外刈)するなど準決勝に進出。同じく代表候補の植岡虎太郎(日本製鉄)は3回戦で敗れた。

 まだ代表落選が決まったわけではないが、ウルフは「今はそこまで深く考えられない。どうなるかわからないけど、どういう柔道人生を歩むか、見つめ直していきたい」と無念の表情を滲ませた。

(THE ANSWER編集部)


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