G1愛チャンピオンステークスで復活V

　欧州競馬のG1アイリッシュチャンピオンステークス（芝2000メートル、良、9頭立て＝1頭取り消し）が現地9日、アイルランド・レパーズタウン競馬場で行われ、ディープインパクト産駒の最終世代オーギュストロダン（牡3、A・オブライエン）が好位から差し切り、G1レース4勝目を挙げた。勝ちタイムは2分2秒68。大敗を喫した前走からの巻き返しに、欧州メディアは「不屈の精神力を持つ生ける化身だ」などと絶賛している。

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　好発を決めながらも、昨年の優勝馬で同厩舎のルクセンブルクにハナを譲り、インの3番手で立ち回ったオーギュストロダン。道中はしっかりと折り合って4コーナーを回ると、鞍上ライアン・ムーア騎手のゴーサインに鋭く反応した。直線の坂をグイグイ伸びてルクセンブルクをかわすと、後方2番手から鋭進したナシュワの強襲も凌ぎ切ってゴールイン。大差の最下位10着に敗れた7月のG1キングジョージ6世＆クイーンエリザベスステークスから巻き返し、1番人気に応えた。

　英衛星放送「スカイスポーツ」はオーギュストロダンの勝利を特集。5月の英2000ギニーとキングジョージで2桁着順の惨敗を喫したことに触れつつ「オブライエンは魔法をかけて、エプソムで勝利するために最高の状態を取り戻した。アスコットのキングジョージで事実上追いつかれる前に、アイリッシュダービーで職人のように勝利を収めた」と記し、立て直しに成功したオブライエン調教師の手腕を称えた。

　英専門紙「レーシングポスト」は「彼は間違いなく、反抗的な不屈の精神を持つ生ける化身だ」との書き出しで記事を展開。「すでに2000ギニーの大敗から立ち直り、エプソムでダービーの栄光を確実にした、華々しく快活なディープインパクト産駒は、同様に気の抜けたキングジョージを置き去りにし、ライアン・ムーアの下で愛チャンピオンSで魅力的な勝利をみせる贖罪の偉業を繰り返した」とまたも大敗から復活した走りを高く評価した。