オールジャパン・マスターズ・フィットネスチャンピオンシップ

　日本ボディビル・フィットネス連盟（JBBF）主催のボディコンテスト「オールジャパン・マスターズ・フィットネスチャンピオンシップ」が9日、栃木県総合文化センターで開催され、ビキニフィットネス35～39歳160センチ超級に大会3週間前に左足親指を粉砕骨折していた安井友梨が出場した。決勝まで勝ち進み、見事連覇を達成。その後に行われた各階級での優勝者で争うオーバーオール審査でも優勝し、壇上では涙ぐむシーンもあった。

　怪我を抱えながらピックアップ、予選と勝ち上がった安井。決勝で自身のエントリーナンバー「30」がコールされると、煌びやかな赤のビキニで登場した。拍手を浴び、ソロでのポージングを披露。左足の骨折を感じさせない足取りで存在感を放ち、笑顔を絶やさなかった。

　表彰式で優勝が決まった瞬間、安井は感極まったような表情に。表彰状を受け取り、涙ぐむシーンも。ティアラを頭に、笑顔を取り戻してフォトセッションに臨んでいた。その後に行われた無差別級のオーバーオール審査でも優勝。再び涙ぐみながら登壇した。

　世界選手権2位に輝くなど競技の第一人者として知られ、“ビキニフィットネスの女王”の異名を取る安井は8月17日、ジムのロッカーから15キロのパラレルグリップが左足に落下。親指を粉砕骨折したことを自身のSNSなどで明かしていた。「全治には1年かかるだろう」と診断、即手術を勧められたという。

　3週間後の大会ではヒールを履くどころか、普通に歩くことさえ難しいと医師から告げられたが、強行出場を決意。「奇跡は待っていても起こらない　奇跡は自分から掴みに行くもの」と懸命な治療を施し、この日の朝には自身のSNSでウエストを自己ベスト51.5センチまで絞り込んだことを明かしていた。

　安井は昨年もマスターズ同級で優勝し、オーバーオール審査でも1位になっていた。明日10日に行われる「オールジャパン・フィットネスチャンピオンシップ」のビキニフィットネス163センチ超級にもエントリー。大会8連覇を目指す。