アスレチックスのファン団体が抗議カードを配布「永遠に失ってしまう危機にある」

　米大リーグ（MLB）のオールスター戦が11日（日本時間12日）、シアトルで行われ、ナ・リーグが3-2でア・リーグに勝利し、連敗を9で止めた。エンゼルスの大谷翔平投手や地元マリナーズのフリオ・ロドリゲス外野手らに大声援が送られる中、本拠地移転問題に揺れるアスレチックスのファンからは異例のチャントが巻き起こった。「球団を売れ！」の声が入った動画が公開されると、米ファンから「間違いなく聞こえる」「美しい」「俺たちを黙らせることはできない」と反響が集まっている。

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　華やかな舞台でも抗議の声を届けた。1-1の6回1死一塁。攻めるア・リーグの打席には、初出場のアスレチックスのブレント・ルッカー外野手が入った。しかし、客席から「SELL THE TEAM（球団を売れ）！」の大合唱。ルッカーは右越えのエンタイトル二塁打を放ち、1死二、三塁に。次の打者の犠飛をお膳立てした。

　米ポッドキャストメディア「ジョムボーイ・メディア」の番組「トーキン・ベースボール」公式ツイッターは、米スポーツ専門局「FOXスポーツ」の中継映像を公開。「ブレント・ルッカーの打席の中継では『球団を売れチャント』がさらに大きく聞こえる」と文面に記した。米ファンからは「マジでゾクゾクする」「美しい」「俺たちを黙らせることはできない」「間違いなく聞こえる」と同調の声や注目が集まっている。

　カリフォルニア州地元テレビ局「KRON4」は「アスレチックスの抗議：MLBのオールスター戦で『球団を売れ』チャントが発生する」と題して報道した。記事によると、抗議を企画したのは「オークランド68s」というアスレチックスファンによってつくられた団体。球場内で「アスレチックスを売れ」と書かれたカードを配布し、裏面には抗議の目的やタイミングなどが記されていたという。

　この日はルッカーの打席以外にも、5回の先頭打者が終わった際などに他球団ファンも巻き込んでチャントが起こった。25勝67敗、MLB全体で最下位となる勝率.272と低迷するアスレチックス。経営陣が本拠地をオークランドからラスベガス移転を目指しており、これまでも本拠地で同様のチャントが発生していた。「私たちはオークランドで野球を永遠に失ってしまう危機にある」と主張する団体のもと、球宴で他球団のファンも一緒に声を上げた。