復活フェデラー、批判さえ力に変える一流の流儀「現状維持は後退を意味する」
「コートを踏むたび、歴史を塗り替えるができるかもしれないと考えている」
この間も、強力なライバルを凌駕するために、フェデラーは常に進化を求め続けたという。スーパースターにつきまとう批判もエネルギーに変えたことを明かしている。
「時に批判を耳にすることもあるけれど、それこそが自分をより優れた選手にするものと考えている。自分のことを真剣に考えているからこその言葉だろうからね。これはビジネスの世界でも同じだ。ゴールを設定しなければ、自問自答することなどできないだろう。ただ一つの地点から別の地点に移動するだけだ。そして、これでいいんだ、というかもしれない。
調子がいい時には、もっと何ができるのか。もっと優れた存在になれるのか。もっと厳しいトレーニングができないか。毎回コートを踏みしめるたび、歴史を塗り替えることができるかもしれないと考えているんだ。自分のできることはベストを尽くすこと。それでいいんだよ」
頂点に達成してなお、まだ見ぬ景色を求めて更なる上を目指す。35歳にして全盛期を超える全盛期を見せているフェデラーの復活を支えたのは、この哲学かもしれない。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer