NBA大物デュラントの人生を変えた日本人 「君のおかげで僕がある」と言わしめた友情秘話
米プロバスケットボール(NBA)のサンズに所属するスーパースター、ケビン・デュラントの高校時代に訪れたキャリアの分岐点に米メディアが注目。「君のおかげで、今の僕があるんだ」というデュラントの言葉とともに、ある日本人と今も続く友情を紹介している。
米放送局がデュラントと伊藤大司の高校時代から続く友情に注目
米プロバスケットボール(NBA)のサンズに所属するスーパースター、ケビン・デュラントの高校時代に訪れたキャリアの分岐点に米メディアが注目。「君のおかげで、今の僕があるんだ」というデュラントの言葉とともに、ある日本人と今も続く友情を紹介している。
“KD”の愛称で知られる34歳のデュラントは、これまでNBA得点王に4度輝き、ウォリアーズ時代の2017、18年にはNBAファイナルMVP受賞、チームを優勝に導いている。今年2月まではネッツに在籍し、日本人選手の渡邊雄太とも共闘した。
そんな輝かしいキャリアを送るデュラントだが、高校時代にその後の人生に大きな影響を与える出会いがあったという。米スポーツ専門局「ESPN」は、「ケビン・デュラントの人生を変えた年(と友情)」との見出しで、Bリーグのアルバルク東京などで活躍した日本人選手、伊藤大司との絆を伝えている。
記事によれば、2人が初めて出会ったのは2005年6月。全米トップクラスの高校生が集まる「トップ100キャンプ」に招集され、当時オークヒル・アカデミー高にいたデュラントとモントローズ・クリスチャン高に留学していた伊藤が寮で同部屋になった。すぐに意気投合した2人は、「冗談を言い合い、よく笑うような仲になった」という。
高校最後のシーズンは、伊藤が通うモントローズ・クリスチャン高で戦うことが決まっていたデュラント。転入後、デュラントは母の家から45分かけて通学していたが、ある時、伊藤が寮母に頼んでデュラントを寮に宿泊させ、再び寮生活を送ることになった。
伊藤について同局は「模範的な寮生だった。毎朝5~6時の間に10分歩いて高校に行き、2時間早く到着し、自主練習をしていた」と紹介。その姿はデュラントにも影響を与え、「2人は早朝に起床し、誰よりも早く学校に着いた」と刺激し合いながら練習に励んでいた。
テキサス大に進学し、デュラントがNBAのスーパースターに飛躍した後も、2人は互いに連絡を取り合った。そしてデュラントが伊藤をNBAの試合に誘った際、ナイキから自身のバスケットシューズのモデル「KD1」が発売されたことに言及し、「タイシ、僕のシューズに君の名前を入れたんだ」と語った。KD1の靴底に伊藤の名前を刻んだデュラントは、「タイシ、君は僕の人生に大きな影響を与えてくれたからね。君のおかげで、今の僕があるんだ」と、その理由を明かしたという。
2010年に帰国した伊藤は、Bリーグのアルバルク東京などで活躍し、21年6月に引退した。その直後、米国代表の一員として東京五輪に出場したデュラントと日本で再会。「『君をうちのチームに入れたいよ』とジョークを言ったりして2人は笑いあった」と伝えている。NBAのスーパースターであるデュラントと、現在アルバルク東京でトップチームゼネラルマネージャーを務める伊藤の友情が、今回思わぬ形で米メディアで注目を集めた。
(THE ANSWER編集部)