アッサー・アッシュ・スタジアムの客席から客席へ、向こう側にいた選手は…

　男子テニスの世界ランク3位ドミニク・ティエム（オーストリア）が放ったミラクルショットが話題を呼んでいる。といっても試合中の話ではない。ウエスタン＆サザン・オープンの会場となったアッサー・アッシュ・スタジアムの客席から反対側の客席にいるディエゴ・シュワルツマン（アルゼンチン）に渡した。その距離数十メートル、スタジアム横断の一打を本人がインスタグラムに投稿すると、母国メディアも特集している。

　会場の端から端へ、驚きの一打を放った。アッサー・アッシュ・スタジアムの客席に立ったティエム。すると、左手で持ったボールをトスし、右手のラケットで豪快に振り抜いた。大きな弧を描いたボールはコートの遥か上空を通過し、逆サイドの客席へ。向こう側にいるシュワルツマンのもとにピタリ。距離もコースも狂いのないショットでボールを渡してみせた。

　ティエムは「ディエゴ・シュワルツマンが、練習のためにボールを欲しいと言うので」と茶目っ気たっぷりに投稿。コメント欄には「どうやったらこんなことできるの？」「上手すぎる」「ホントありえない!!!」「素晴らしい」「なんてショットだ。高く飛んでる」「ワオ、たまげた」「リアルに凄い」「ソーシャルディスタンスも次のレベルに上がった」「今度はエンパイアステートビルに打って」などと驚きの声が上がった。

　また、母国のオーストリア大衆紙「クローネン・ツァイトゥング」も「ドンピシャ　マジカルショット！　ティエム、スタジアム横断のボールを放つ」と見出しを打って特集。「インスタグラムのコミュニティが騒然。ティエムが正真正銘のマジカルショットで大注目を集めている。スタジアムで、反対側のスタンドにドンピシャでボールを打った」と驚きをもって報じている。

　第2シードで出場する今大会、25日に行われる2回戦でフィリプ・クライノビッチ（セルビア）と対戦するティエム。コート内に入っても驚きのショットで再開されたATPツアーを盛り上げてくれるだろうか。