遠藤、渡辺組が快挙 大会110回の歴史で日本勢男子複初V「最初の一番は気持ちいい」
バドミントンの全英オープンは15日に最終日を迎え、男子ダブルスは、遠藤大由/渡辺勇大(日本ユニシス)が決勝で世界ランク1位のインドネシアペアを破り、初優勝を飾った。遠藤は、早川賢一とのペアで過去3度準優勝(2013年、14年、16年)を経験しており「説明できないくらい嬉しかった」と勝利の瞬間を振り返った。
世界選手権より歴史が古い全英OPで初優勝、世界1位ペアを撃破
バドミントンの全英オープンは15日に最終日を迎え、男子ダブルスは、遠藤大由/渡辺勇大(日本ユニシス)が決勝で世界ランク1位のインドネシアペアを破り、初優勝を飾った。
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遠藤は、早川賢一とのペアで過去3度準優勝(2013年、14年、16年)を経験しており「説明できないくらい嬉しかった」と勝利の瞬間を振り返った。渡辺は18年の混合ダブルスで優勝しており、2種目制覇となった。全英オープンは、世界選手権よりも歴史が古く、今大会で110回目を数える。競技者の多くが憧れる大会だ。日本勢は、昨年に男子シングルスの桃田賢斗(NTT東日本)が優勝するなど、この大会は4種目で優勝者が出ているが、男子ダブルスは初優勝。渡辺は「何でも最初の1番は気持ちがいい」と喜んだ。
試合は、相手の攻撃にさらされながらも粘り強い守備で得点を重ねる展開だった。相手は、遠藤に強打を集中させて連続攻撃に持ち込んだが、遠藤は我慢強くレシーブを続け、強打をフェイントにしてネット前へ落として来る球も前方へ飛び込むダイビングレシーブなどで相手コートに返した。第1ゲームは、接戦だったが、渡辺が高い位置からネット前へ落とす得意のドロップショットを決めるなど終盤の16オールから4連続得点で突き放して先制した。
しかし、第2ゲームは、遠藤の返球がコートを捉えられずに失点を重ね、11-21と押し切られた。ファイナルゲームは、序盤でリードしたが、終盤に追いつかれて一進一退の攻防となった。近距離で球が行き交う、男子ダブルス独特の展開が多い中、終盤は渡辺がその中でもじりじりと前方へ出て、相手よりも早いタイミングでの返球を狙って反撃。最後は相手の球が外れて21-19。悲願の初優勝を飾った。
東京五輪へ「これを良い自信につなげて、もっと上げていかないと」
2人は、遠藤のパートナーだった早川が2016年リオデジャネイロ五輪後に現役を引退した後、東京五輪を目指してペアを組んだ。ともにコートを縦横無尽に駆け回る脚力の持ち主。組み始めた当初は相手の返球に2人がどこからでも同時に動いて重なる場面も多く見られた。しかし、年を経る毎に連係は向上。現在では横並びの守備をベースに攻撃へ転じる形が出来上がりつつある。男子ダブルスでは、インドネシア勢が特に強いが、今大会では準々決勝で世界ランク2位、決勝で世界ランク1位とインドネシアが誇る2強を撃破。渡辺は「世界ランク1位、2位のペアにぶつかって勝って優勝できたことが財産」とも話した。
個人的に4度目となった決勝でついに勝った遠藤は「過去に(早川)賢一と組んで出た経験と、勇大の(混合ダブルスでこの大会を)優勝した経験が合わさって優勝できたという感じがすごくします。なかなか難しい試合でしたが、勇大がすごくカバーしてやってくれたので、8割は渡辺選手のおかげで勝ったと言っても良いくらいです」とパートナーに感謝した。
連係を高めて、進化を続けてきた結果が、全英オープンで男子ダブルス初の日本人ペア優勝という結果につながった。しかし、まだ目標に続く道の途中だ。遠藤は「組み始めたときから、東京五輪に出るという話だった。これを良い自信につなげて、もっと(実力を)上げていかなければいけないと思います」と五輪を見据え、さらなる前進に意欲を示した。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)