タカマツが世界1位撃破で4強 五輪レース中止の報にも「絶対に優勝して終わりたい」
新型コロナウイルスの影響は、やはり、バドミントン界にも大きな影を落とした。英国バーミンガムで開催中の全英オープンは、最終日まで実施する方針だが、BWF(国際バドミントン連盟)は13日、全英後から4月12日までの公認大会を中止および延期にするとともに、東京五輪の出場権獲得レースについての規約を今後改めて発表することを決めた。日本A代表は、全英後も日本に帰国せずに50日間の海外遠征を行う予定だったが、大会中止を受けて全英閉幕翌日の16日に帰国する方針へ変更する見込みだ。
中国ペアを破り準決勝進出、決勝かける相手はフクヒロ
新型コロナウイルスの影響は、やはり、バドミントン界にも大きな影を落とした。英国バーミンガムで開催中の全英オープンは、最終日まで実施する方針だが、BWF(国際バドミントン連盟)は13日、全英後から4月12日までの公認大会を中止および延期にするとともに、東京五輪の出場権獲得レースについての規約を今後改めて発表することを決めた。日本A代表は、全英後も日本に帰国せずに50日間の海外遠征を行う予定だったが、大会中止を受けて全英閉幕翌日の16日に帰国する方針へ変更する見込みだ。
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今後の大会中止が発表された直後に準々決勝に臨んだ女子ダブルスの高橋礼華/松友美佐紀(日本ユニシス)は、第1シードで世界ランク1位のチェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国)と対戦。試合前に、今後の大会中止の報を聞いた高橋は「逆に(落ち込むのではなく)熱くなりました。これがレースの最後になるのだとしたら、絶対に優勝して終わりたいと強く思いました」とより闘志を燃やして臨んだことを明かした。
試合は、大激戦となった。第1ゲームを8-11から12連続得点で制すると、第2ゲームも先にマッチポイントを迎えたが、決め切れずに20-22で落として追いつかれた。ファイナルゲームは中盤まで競り合ったが、13-12から8連続得点で一気に突き放し、2-1で勝って準決勝進出を決めた。
高橋/松友は、2016年リオデジャネイロ五輪の金メダリスト。2大会連続の五輪出場を目指しているが、現在世界ランク2位の松本麻佑/永原和可那(北都銀行)、同3位の福島由紀/廣田彩花(アメリカンベイプ岐阜)にランキングポイントで差をつけられており、最大で同国2枠となる東京五輪の出場権獲得が苦しい状況にある。今後の大会が中止または延期で、五輪の出場権争いにどのように左右するかは、2人の目標に大きく影響する。
しかし、高橋は「ここに来る前から、五輪(出場権獲得)は厳しいかなと思っていた。それでも、この大会は取りたいという気持ちで来た。いろいろな競技の大会が中止されている中、この大会が開催されていて、試合をさせてもらえることがありがたいので、この試合に勝って、優勝して終わりたい」と五輪レースのポイントにこだわらず、110回目を迎えた由緒ある全英オープンで4年ぶり2回目の優勝を飾ることに重きを置いてモチベーションを保つ姿勢を示した。
現地14日に行われる準決勝は、福島/廣田との日本勢対決となった。五輪レースの残り試合が減るようであれば、高橋/松友にとっては五輪出場の道のりはさらに厳しいものになる。注目の中で力を示せる、残り少ないチャンスとなった全英は、譲れないタイトルだ。前回ベスト4で一昨年に準優勝している福島/廣田にとっても、是が非でも欲しいタイトル。時が止まってしまったバドミントン界で唯一、生きている全英オープンで、日本が誇る2組のペアが、真っ向勝負に挑む。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)