イチローは道具の扱い方も超一流 米国でも注目される流儀とは
バットに対して「極限までのケアと注意」
そんなベテラン外野手について、地元紙は「もしかすると、バットは長年に渡り、彼から施されてきた極限までのケアと注意に報いているのかもしれない。彼はバットを大事にする。そっと扱うのだ」と評している。
イチロー自身、記事の中でバットに対する独特の作法についてこう語っている。
「バットを大事に扱わないことがあるでしょうか。これは自分たちの商売道具です。このバットを作ってくれた人たちのことを考えれば、このバットを作るための彼らのに労力を考えれば、どれだけ無礼なことなのかわかるでしょう。もしも、バットを放り投げたら、皆さんいい気分はしません。彼らも次の時には最高のバットを作ろうとはしないでしょう」
メジャーの世界にも打てない時に怒りに任せてバットをへし折る選手や、ダグアウトでバットを使って物に八つ当たりするスラッガーもいる。それはイチローの流儀とは対極にある。
「それ(ヒット)は自分の技術でしょう。バットはバットですから」と語るイチローは、作り手への敬意、野球という競技へのリスペクトから、バットを何よりも大切に扱っているという。
以前も現地メディアで「バットをまるでトロフィーのように扱う」とレポートされていたレジェンド。メジャーで金字塔を打ち立てようとしているイチローの道具に対する愛情はアメリカ人を感銘させているようだ。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer
ゲッティイメージズ●写真