会場は「コービー」コールでファン総立ち、選手は涙を浮かべ…

　米プロバスケットボール（NBA）の元スーパースター、コービー・ブライアント氏や13歳の娘らが乗ったヘリコプターが26日（日本時間27日）、西部カリフォルニア州ロサンゼルス近郊の山に墜落し、全員が死亡。世界中に衝撃を与えた訃報に、各地で行われた試合で開始と同時に追悼の意を示すバイオレーションを行った。

　ホークス―ウィザーズでは、試合前に黙とうが捧げられた。ファンはコービーのジャージーを着用し、会場は「コービー！　コービー！」とチャントが響く。試合は、ティップオフ後に両チームが攻撃せず、コービーが現役時代つけていた8番と24番の背番号にちなみ、8秒バイオレーションと24秒バイオレーションを意図的に犯す形で、ブライアント氏に敬意を示した。選手たちは涙をこらえ、スタンドのファンは総立ちで拍手を送った。

　ラプターズ―スパーズ、セルティックス―ペリカンズなどでも同様の形で試合が始まった。ウィザーズ公式ツイッターが投稿した試合前の会見では、スコット・ブルックスHCが涙をこらえながら「みんなにとってつらい日だ」と話し、ブラッドリー・ビールやジョン・ウォールもブライアント氏の死にツイッター上で反応していた。

　試合は、ウィザーズがトーマス・ブライアントとイアン・マヒンミのフロントコート陣でゴール下を攻めれば、ホークスも負けじとトレイ・ヤングの巧みなパスからブルーノ・フェルナンドが豪快なダンクを叩き込む。ウィザーズがフリースロー全11本を成功。しかし、第2クォーター（Q）は流れを掴めなかった。

　両チームが速いテンポでプレーし、前半だけで72-78とハイスコアリングゲーム。6点を追うウィザーズは、第3Qもホークスのヤングに早くも30得点13リバウンドのダブルダブルを許した。最終Qも反撃及ばず、133-152で東カンファレンス最下位に沈む相手に敵地で連勝を逃した。

　鼠径部打撲で離脱中の八村塁は20戦連続で欠場したが、オールスター前の復帰へ向けて視界良好であるとブルックスHCが話すなど、復帰に向けて前進を続けている。