金メダル目前…無駄なパフォーマンスでV逸の悲劇 “慢心”と批判浴びたスノボ女王の16年【2006年トリノ五輪】
連日熱戦が繰り広げられているミラノ・コルティナ五輪。1924年に第1回大会が開催されてから、今回で25回目となる。これまでに生まれてきた数々の名場面や事件を振り返る。

2006年トリノでの大失敗から16年、北京で悲願の金メダル
連日熱戦が繰り広げられているミラノ・コルティナ五輪。1924年に第1回大会が開催されてから、今回で25回目となる。これまでに生まれてきた数々の名場面や事件を振り返る。
2006年のトリノ五輪では、女子スノーボードクロスに出場したリンゼイ・ジャコベリス(米国)が一つの失敗から“呪縛”にとりつかれてしまった。2位以下に大差をつけて独走。しかし、終盤のジャンプでボードの端をつかむパフォーマンス(メソッドグラブ)をして転倒し、目前の金メダルを逃した。世界選手権やXゲームズでは圧倒的な強さを誇ったが、五輪で頂点に立ったのは16年後の北京大会だった。
見守ったコーチは思わず顔を覆った。独走していたジャコベリスの勝利が確実視される中で、悲劇が起こった。ジャンプの際、空中で腰をひねりながら左手でボードをつかんだが、着地でバランスを崩し転倒。横をすり抜けていったタニア・フリーデン(スイス)が逆転で金メダルに輝いた。
この行為は当時、勝利を確信したアピールではないかと批判を浴び、慢心が生んだ悲劇と見なされた。しかしジャコベリスは2023年の回顧録出版時に出演した米国のテレビ番組「タムロン・ホール・ショー」で、当時の心境をこう明かしている。
「頭の中には何も浮かんでいませんでした。リードしているからお祝いのグラブをしよう、なんて考えていたわけではありません。文字通りその瞬間に降ってきたんです。『すごい、リードしている。何か楽しいことができるかも』って。スノーボーダーは最高の瞬間にお祝いをする。それが私たちの競技の一部なんです」
当時20歳だったジャコベリスはその後、世界選手権で通算6個の金メダルを獲得し、Xゲームズでは10度の優勝を果たすなど女王の名をほしいままにした。しかし、五輪では不運が続く。2010年バンクーバー大会は準決勝でコース逸脱による失格があり5位、2014年ソチ大会は7位、2018年平昌大会は4位。実力は誰もが認めながらも、五輪の金メダルだけに手が届かなかった。
迎えた2022年の北京大会。36歳となったジャコベリスは4大会ぶりに五輪決勝へ駒を進めた。スタートから好位置をキープし、コース中盤で首位に立つと、その後は盤石の滑りを見せた。16年前のトリノで転倒した終盤のジャンプも正確に着地し、1位でフィニッシュ。自身5度目の挑戦でついに悲願の頂点に立った。3日後には新種目の混合団体でも優勝し、2冠を達成している。
(THE ANSWER編集部)
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