「スポーツを教える」はボランティアじゃない アスリートのセカンドキャリア問題
指導はボランティアじゃない、元アスリートが身につけるべきビジネス感覚
秋本「実は僕にも同じような経験がありました。学校に指導に行って、お金の話も何もなく『ありがとうございました』で終わってしまった。まだ指導者になりたての時、話を詰めていなかった自分も悪いんですが……(笑)。歌手のコンサートをタダで行っているようなもの。ただ、陸上しかやってこなかったので、そういう風に思われているんだなと課題を感じたし、ビジネスの部分もしっかりとやらないといけないと感じました」
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指導はボランティアじゃない。一方で、課題もある。秋本氏は最後にこう言って力を込めた。
「そういうのは本当に有名な人だと、お金を払って呼ばないといけないんじゃないかと考えられます。それは、有名になればなるほど。だから、自分は“有名”じゃなく、届けられるものが素晴らしいという部分で、お金を出してもらえるような指導、メソッドを届けられるようにしたいと思っています。『0.01』というプロコーチ集団として、僕でなくても誰を呼んでも高いクオリティが出せる集団として広げていきたいです」
◇池田 昌人
法政大学経営学部卒。1997年東京デジタルホン(現ソフトバンク)入社。営業部門、マーケティング部門を経て、東日本大震災を機に、企業ができる継続的な社会貢献事業を推進しようと、CSR部門に異動。現在は、ソフトバンクグループのCSR責任者として、2015年に立ち上げた「スマートコーチ」の推進だけでなく、事業を通じた社会課題の解決を目指し、ICTやスマートロボット、プラットフォームを活用した社会貢献施策を展開。
◇伊藤 友広
国際陸上競技連盟公認指導者資格(キッズ・ユース対象)。高校時代に国体少年男子A400mにて優勝。アジアジュニア選手権の日本代表に選出され400m5位、4×400mリレーではアンカーを務め優勝。国体成年男子400mにて優勝。アテネ五輪では4×400mに出場。第3走者として日本過去最高順位の4位入賞に貢献。
◇秋本 真吾
2012年まで400mハードルのプロ陸上選手として活躍。オリンピック強化指定選手にも選出。2013年からスプリントコーチとしてプロ野球球団、Jリーグクラブ所属選手、アメリカンフットボール、ラグビーなど多くのスポーツ選手に走り方の指導を展開。地元、福島県「大熊町」のために被災地支援団体「ARIGATO OKUMA」を立ち上げ、大熊町の子供たちへのスポーツ支援、キャリア支援を行う。2015年にNIKE RUNNING EXPERT / NIKE RUNNING COACHに就任。
(THE ANSWER編集部)