イチロー、松井、浅田真央のように― 「おりひめJAPAN」が願う“たった一つの夢”
「ハンドボールが文化として認知されるような活動を」(石立)
これまでの監督とは違い「ポジティブな部分を探してフィードバックしてくれる」(石立)というキルケリー監督は、選手とのコミュニケーションも重視。「監督の考えや意見が選手に伝わりやすく、選手の考えや意見もまた監督に伝わりやすい関係が取れている」と、原は話す。監督が就任以来目指すスタイルは「速攻」。今年に入って5度のヨーロッパ遠征を繰り返す中で「自分たちがやりたいことができる時間帯がすごく増えてきた。自分たちがやりたい方向性や、やっていることは間違っていないという手応えみたいなのは感じている」と石立は明かす。
44年ぶりの出場ということもあり、五輪は“未知”の舞台でもある。小学生の頃から五輪を目標としてきたという原は「楽しみな部分もあるし、開催国としてのプレッシャーもあります」と素直な気持ちを吐露。その一方で、「まだ日本でハンドボールはマイナーな競技。世界選手権で結果を残してたくさんの人に注目してもらって、オリンピックにもたくさんの人に見に来てもらいたいです。見る人に感動してもらうプレーをできる自信はあるので」と意気込む。
これまで2度、五輪予選での敗退を経験している石立は「本当に目指していた場所。夢の舞台」と感慨深げだが、「自分にとっては最後のオリンピック。出場しただけでは終わらせたくない」。五輪出場という経験を生かしながら「ハンドボールが文化として認知されるような活動をしていきたいですね」と普及活動に携わりながら、競技に恩返しをするつもりだ。