佐藤琢磨、2度目のインディ500Vへ カギは気温、「上がった方がチャンスがある」理由
インディアナポリスでファンから絶大な支持を受ける佐藤
また、インディアナポリスに来る度に感じるのが、佐藤琢磨というドライバーの人気の高さだ。会場でファンに囲まれることは日常的で、代名詞となっている「No Attack No Chance」のプレートを目にする機会も多い。シーズン中はインディアナポリスを拠点に置く佐藤も「だいぶ浸透しましたよね。17年に勝ってからインディアナポリスが迎え入れてくれる雰囲気っていうのは200%くらいになっているのは感じます。レース会場や空港やレストランでもそうだし、この国の勝者を称えようとする気持ちはすごく重く感じます」と期待を意気に感じている。
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人気について、プルエット氏は「米国外出身の多くのドライバーはインディカーで戦ううちにどんな形であれ、“アメリカナイズ”されていくものだ。でも琢磨は日本人らしさを貫いているように見えるというか…。うまく説明できないが、多くの米国人ファンは特別な『何か』を感じて魅了されている」と分析する。
確かに今年のインディ500でポールポジションを獲得したサイモン・パジェノウは、母国フランスで「シモン」と発音するファストネームを「米国では覚えられやすい」という理由で「サイモン」に変えている。佐藤の、時には無謀とさえ思われる果敢に攻めるドライビング・テクニックも米国人ファンにはクールなジャパニーズスタイルに映るのかもしれない。同氏は「インディカーのキャリア前半では時々大きなミスを犯すこともあったが、見事に修正してきた。ストイックに自分の技術を磨き続けているし、あの年齢でまだ成長し続けているというのは素晴らしいことだ」と賛辞を惜しまない。
2度目の制覇への道は決して平坦ではない。だが、佐藤琢磨というドライバーには期待させる「何か」があることを、誰もが感じている。
(岡田 弘太郎 / Kotaro Okada)