「ARK LEAGUE」内野洋平を惹きつけた寒川の熱意「気合の入り方が違うんです」
日本でBMXフラットランドを代表する男と言えば、9度の世界タイトルを誇る“ウッチー”こと内野洋平だろう。2014年から世界初の年間ワールドランキング3連覇を成し遂げた内野は、明日27日から29日まで3日間、神奈川県寒川町で開催されるストリートスポーツの世界大会「ARK LEAGUE」で、オーガナイザーとして陣頭指揮を執る。もちろん、選手としても大会4度目の優勝を狙う36歳プロライダーが、「THE ANSWER」に明かした新たな旅立ちにかける熱い思い、新天地の寒川で受けた衝撃など、全2回にわたりお届けする。
海のない湘南・寒川から世界へ発信「場所じゃない、大会の中身」
日本でBMXフラットランドを代表する男と言えば、9度の世界タイトルを誇る“ウッチー”こと内野洋平だろう。2014年から世界初の年間ワールドランキング3連覇を成し遂げた内野は、明日27日から29日まで3日間、神奈川県寒川町で開催されるストリートスポーツの世界大会「ARK LEAGUE」で、オーガナイザーとして陣頭指揮を執る。もちろん、選手としても大会4度目の優勝を狙う36歳プロライダーが、「THE ANSWER」に明かした新たな旅立ちにかける熱い思い、新天地の寒川で受けた衝撃など、全2回にわたりお届けする。
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神奈川県高座郡寒川町。この地名を聞いた時、大半の人は寒川神社を思い出す、あるいは初めて耳にした名前でイメージが沸かないか。ストリートスポーツを思い浮かべる人はほとんどいないだろう。だが、平成最後の週末、この寒川に国内外のトップに立つストリートスポーツ選手が集結し、世界王者の座を争う。大会発祥の地・神戸を離れ、なぜ寒川だったのか。その理由について「ARK LEAGUE」オーガナイザーの内野は、こう語る。
「東京五輪とその先を見据えて、2019年、20年は関東で開催しようって決めてたんですよ。神戸に雰囲気が近い横浜市と話をする中で神奈川県と繋がって、開催に賛同してくれた神奈川県が『寒川って町を一度見てもらえませんか?』と。海のない湘南って言われるだけあって、正直ちょっと田舎かなって思ったんですけど(笑)、寒川中央公園にあるシンコースポーツ寒川アリーナがめちゃくちゃ良かったんですよ。体育館のクオリティーが驚くくらい良くて、東京にもないくらい。芝生のエリアも広くて、そこから富士山が見えて。しかも、完成したばかりのパンプトラックまであったんです」
即答せずに返事を一度持ち帰り、いろいろ思いを巡らせた。「ここで開催しよう」と決めた背景には、自身の海外での経験がある。
「アメリカでの世界大会って開催場所がNYやLAではなく、毎年ニューオーリンズであるんです。たまに、ミズーリ州のジョプリンという田舎町でも開催されたり。でも、果たして自分はその時に楽しくなかったのかっていうと、すごく楽しかったし、好きなんですよね。そう考えた時、場所じゃない、大会の中身だなと。寒川町の協力体制は完璧、人の熱さは完璧、施設も完璧。ただ田舎なだけ。よし、寒川でやりましょうってなったんです」
大会準備を進めるにあたり寒川町に住み始めた内野は、そこで木村俊雄町長をはじめとする町民の熱さに触れることになる。内野自身も熱いハートの持ち主だ。それだけに、思いはすぐに響き合った。民間ではなく行政体でありながら、町は「ARK LEAGUEさんの要望は基本的に全部叶えていきます」と全面支援を約束。取り壊しが決まっていた屋内プールを改装し、3月2日にはBMXフラットランド専用屋内練習場「FLAT PARK」もオープンさせた。