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2度の震災を知る女子ハンドボーラーの使命「石川に明るいニュースを」 佐原奈生子が届けたい姿【リーグH】

6月に幕を閉じたハンドボールの新リーグ「リーグH」。東京・代々木第一体育館で行われた女子プレーオフに、被災地への思いを胸に出場したチームがある。能登半島地震で大きな被害を受けた石川を本拠地とする「北國ハニービー石川」。主将・佐原奈生子は「県民のみなさんに明るいニュースを」と奮闘。地元の人々との交流でもらったパワーを原動力に、最後まで戦い抜いた。

北國ハニービー石川の主将・佐原奈生子【写真:中戸川知世】
北國ハニービー石川の主将・佐原奈生子【写真:中戸川知世】

主将を務める北國ハニービー石川はリーグHで準優勝

 6月に幕を閉じたハンドボールの新リーグ「リーグH」。東京・代々木第一体育館で行われた女子プレーオフに、被災地への思いを胸に出場したチームがある。能登半島地震で大きな被害を受けた石川を本拠地とする「北國ハニービー石川」。主将・佐原奈生子は「県民のみなさんに明るいニュースを」と奮闘。地元の人々との交流でもらったパワーを原動力に、最後まで戦い抜いた。

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 11連覇を目指した決勝。ブルーサクヤ鹿児島に25-27で敗れ、惜しくも頂点には届かなかった。今季から主将を務める佐原は「先輩たちが築き上げてきた10連覇は北國の伝統。途絶えてしまったことが申し訳ない」と取材で涙を見せた。

 福島出身。学法福島高に入学前の2011年3月、東日本大震災を経験した。「身の危険、死を感じる程の揺れだった。まず命を守らなきゃという思いが真っ先にあった」。当時感じた恐怖は、今でも忘れられないほど。それだけに、能登半島地震からの復興に対する思いも強い。

 昨年1月の発生当時は帰省中で、石川から離れていた。チームにも大きな被害はなかったが「震災の怖さを知っていたので、心配でたまらなかった」。復興支援活動で町の惨状を目の当たりにした時、13年前の記憶が蘇った。

自分たちの戦う姿で石川を明るくしたいと願う佐原【写真:中戸川知世】
自分たちの戦う姿で石川を明るくしたいと願う佐原【写真:中戸川知世】

 自分たちにも何かできないか。ハンドボール教室、レクリエーション活動のほか、小学生を試合に無料招待した。「子供たちがすごく明るくて。本当は不安いっぱいなはずなのに、私たち以上に明るい姿を見せてくれて、本当にパワーをもらった」。交流を通じて励ますつもりが、逆に力をもらった。

「県民のみなさんに明るいニュースを届けることが役目」と新リーグでも奮闘。集客にも力を入れ、会場に足を運ぶファンも増えた。「見てもらえるのは私たちも幸せですし、応援してくださる方に、私たちの戦う姿を見て何かを感じ取っていただければ」。届けたいのは強く、前向きなハニービーの姿。ハンドボールでこれからも地元を明るく照らしていく。

(THE ANSWER編集部・横田 美咲 / Misa Yokota)

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