八百長摘発のテニス不正監視団体、防止教育も徹底 選手証言「最近特に厳しい」
教育ムービー見なければエントリーに進めず「去年から本格的になった印象」
プロの道に進んだばかりの選手がプロテニス選手に禁止されている試合結果を賭ける悪の道に進んでしまうストーリーだ。ギャンブルに手を染めてしまった主人公は試合の参加はおろか、観戦すら許されない永久追放となってしまった。「八百長の人間」と呼ばれ続ける苦悩、家族の悲しみなども描いており、プロ選手への自覚を促す内容になっている。
ギャンブルに手を染めた選手がTIUから事情聴取を拒否したことで、罪が重くなり、テニス界での評判を一層悪化させるという内容のムービーも、選手に八百長問題解明への積極的な協力を促している。
一つのムービーに対して「この行動は正しいのか」という質問が複数挿入されており、選手はチェックを入れる。そして、複数のムービーの最後に答え合わせが行われる。そうして、八百長に関連する不正行為を選手に教育しているという。誤答に対してはもう一度ムービーが流され、なぜ不正なのかという説明も改めて行われる仕組みになっている。
「去年ぐらいから本格的になった印象があります。八百長撲滅の教育ムービーを見なければ、エントリーフォームに進めません。テニス界から八百長のような問題はなくなってもらいたいです」
綿貫はこう説明し、不正の撲滅を願っていた。
TIUの年間予算は今季323万ドル(約3億6000万円)で、他のスポーツと比べると規模は依然として小さいというが、昨年は20万ドル(約2200万円)が不正防止のトレーニングと教育に使われた。不正を監視するだけでなく、実際に選手に対して徹底している教育も八百長撲滅に少なからず効果をもたらしているかもしれない。
【了】
ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer