錦織の2017年開幕戦で見えた「進化」 「グランドスラム向け」テニスとは
一方で「気になった部分」は…
真夏の南半球で5セットマッチで行われる全豪オープンでは体力の消耗をいかに防ぐかもカギとなる。綿貫は錦織が今年初戦で見せたテニスについて、グランドスラムに向け上々の仕上がりと見ているようだ。
一方で反省点にも言及する。
「全豪オープンに向けて気になった部分は初戦(2回戦)のアメリカ人選手(ジャレド・ドナルドソン)とのファーストセットで見受けられました。4-0から4-6に逆転されたのですが、6ゲーム連取されていました。年明け初戦というところで集中力の部分で難しかったかもしれません。
自分で流れを掴み切らないといけないところで、アンフォーストエラーが多かった印象があります。準決勝のワウリンカ戦、決勝のディミトロフ戦でもありました。流れが行ったり来たりする中で、大事なポイントでのアンフォーストエラーが目立ちました。全豪ではそこを修正したいですね」
今回惜しくも準優勝に終わった錦織について、勝負所でどこまで集中力を高めることができるかが重要と綿貫は話す。痛みを発した左臀部の状態にも一抹の不安を残す中、16日開幕の全豪オープンではどのような戦いを見せてくれるのだろうか。
◆綿貫敬介(わたぬき・けいすけ) 明治安田生命所属 世界ATPランキング1135位、ダブルス1024位(2016年6月時点)。埼玉県春日部市のグローバル・プロ・テニス・アカデミーの常任コーチを務めながら、世界ジュニアランキング2位の弟・陽介のツアーコーチも兼務。ジュニア時代には世界ランク5位のミロシュ・ラオニッチ(カナダ)ら実力者と対戦した経歴を持つ。
◆グローバル・プロ・テニスアカデミー 綿貫3兄弟を育て上げた父・弘次氏が校長を務める、世界を目指すタレントを育成するジュニア育成のアカデミーと一般のスクールを併設。レッスンは午前9時から午後9時まで。住所・埼玉県春日部市下蛭田2-1。電話番号048-755-5370。公式サイトは、http://www.global-sports-planning.com/
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer