錦織の2017年開幕戦で見えた「進化」 「グランドスラム向け」テニスとは
男子テニスで世界ランキング5位の錦織圭(日清食品)は2017年シーズン初戦のブリスベン国際を準優勝で終えた。今月の全豪オープンの前哨戦で見えた“新スタイル”の進化について、プロテニスプレイヤーの綿貫敬介が語った。
専門家が見る錦織の「進化」、全豪OPへカギは?
男子テニスで世界ランキング5位の錦織圭(日清食品)は2017年シーズン初戦のブリスベン国際を準優勝で終えた。準決勝では世界4位で昨年全米オープン覇者のスタン・ワウリンカ(スイス)を7-6、6-3とストレートで撃破しながらも、決勝で同15位のグリゴル・ディミトロフ(ブルガリア)に2-6、6-2、3-6でよもやの敗戦を喫した。今月の全豪オープンの前哨戦で見えた“新スタイル”の進化について、プロテニスプレイヤーの綿貫敬介が語った。
「錦織選手が昨年から挑戦しているリスクを冒すスタイルという部分で進化が垣間見れました。サブーアンドボレーや早いタイミングでネットプレーを織りまぜる積極的なプレーに加え、ストローク戦でもショートポイント(サーブから早い段階でポイントを奪うこと)に挑んでいましたが、そのアグレッシブなプレーに加え、余裕が出てきた印象があります。ベースライン上で粘るというプレースタイルから引き出しを増やしたことで、選手にとってはポイントを決めるコースや選択肢が幅広くなっています。視野が広がってくる。その部分で最初のスタートから余裕を持ってプレーできている。一番の進化だと思います」
そう分析する綿貫は「質の向上」も指摘する。
「去年は多少強引さがありましたが、(今年は)ポイントを取るべき部分でボールの質が上がり、ストロークのスピードアップも上がっています。体力的に無理をせず、余裕を見せながらもショットのクオリティが上がっている。消耗も避けることができるので、グランドスラム向けのテニスになっているのではないでしょうか」