自ら女子バレー部の“寮母”に…特進コースの英語講師から転身、目指す春高 部活は「楽しくないといけない」
部活後は“寮母”として奔走、深めた部員との信頼関係
部員への思いは学校外でも見えた。実家が遠方の部員らのために近くのアパートを借りて寮を運営。「寮は部活動の延長というイメージがあるが、それが嫌で」と自ら“寮母”を担当し、部活を終えるとスーパーへ買い出し。部員らが入浴中に食事の準備をしている。自分は入口近くの小さな部屋で寝泊まりし「門番代わりです」と少し嬉しそうに語った。保護者ともグループLINEで毎日やり取りし、食事内容や生徒らの様子を連絡。「好きな時間に寝て、好きな時間に起きればいいと思う。帰りたい時は帰ればいい」と、縛られない環境がプレーに集中する後押しになっている。
「元気よくやってくれるんだったら良い。うちのなかでは、うまくて調子に乗ることと、自分はダメだと思ってしょんぼりすることが禁止。今いるところよりうまくなるという気持ちだけ同じ量を持っていてくれれば」と決して強制はしない監督の人間性が表れた。それでも懸命に日々練習に取り組み、自主的にメニューも提案する部員に「私が今日死んじゃったとしても、この子たちなら自分たちで相談して、今度は絶対良い試合をしてくれるという確信がある」と自信と信頼を見せた。
1月の春高バレー出場を目指し日々切磋琢磨する部員28人と監督。築き上げた信頼関係が試合でも発揮されるか。行く末を見届けたい。
(THE ANSWER編集部・横田 美咲 / Misa Yokota)