春V後に監督交代 香川中央、平坦じゃなかった春夏連覇 進化した「堅守速攻」
9日、全国高校総体(インターハイ)のハンドボール決勝が行われ、女子は創部5年目の明光学園(福岡)が初優勝、男子は香川中央(香川)が25年ぶり2度目の優勝を飾り、男女ともに春夏2冠を達成した。
初の選抜V後に河合監督が異動、田中新監督「ホッとしました」
9日、全国高校総体(インターハイ)のハンドボール決勝が行われ、女子は創部5年目の明光学園(福岡)が初優勝、男子は香川中央(香川)が25年ぶり2度目の優勝を飾り、男女ともに春夏2冠を達成した。
香川中央の選手の手で、笑顔の田中潤監督が3度宙を舞った。
香川中央と愛知(愛知)の顔合わせとなった男子の決勝は、春の王者が26-21で愛知を下して、再び頂点に立った。
春夏連覇の道のりは平たんではなかった。春の全国選抜大会優勝後に19年間チームを率いてきた河合哲監督が高松商(香川)へ異動となり、入れ替わる形で田中監督が着任。高松商女子ハンドボール部を3度日本一に導いた実績を持つ名将といえど、優勝チームを率いるというプレッシャーの大きさは想像に難くない。重圧の中で春夏連覇を達成した指揮官は、「ホッとしました。選手がそれぞれの役割を果たしてくれた」と安堵の笑顔を浮かべた。
2年間、河合前監督のもとで作り上げた「堅守速攻」のベースに、田中監督が前任校での経験を還元し、「スピーディーな展開とディフェンスの色々なシステムを増やすこと」に取り組んできた。
GKの大道滉平は「ディフェンスのシステムが変わった当初は、ディフェンスとの連携が取れず、全くシュートが取れなかった」と振り返るが、「練習試合を多くこなし、インターハイに向けて調整してきた」。
試行錯誤しながら高めてきた組織的な守備は、大会を通して光っていた。田中監督も「身体を張ったディフェンスとミスの後のバックチェックへの意識が高くなったこと」を勝因に挙げる。