同好会からの全国挑戦 「最後まで諦めない」初出場の関東第一が放った輝き
全国高校総体(インターハイ)ハンドボールは6日、熊本各地で男女3回戦が行なわれた。台風8号の影響で4時間遅れでのスローオフとなった。創部4年目で初出場の新星・関東第一(東京)が、春の選抜大会の王者・香川中央(香川)に真っ向勝負を挑み、強烈な輝きを放った。
インターハイハンドボール男子、関東第一は選抜王者に完敗
全国高校総体(インターハイ)ハンドボールは6日、熊本各地で男女3回戦が行なわれた。台風8号の影響で4時間遅れでのスローオフとなった。創部4年目で初出場の新星・関東第一(東京)が、春の選抜大会の王者・香川中央(香川)に真っ向勝負を挑み、強烈な輝きを放った。
後半12分、関東第一は4点を連取して9点差に詰め寄り、香川中央にタイムアウトを取らせると、コートもベンチも応援席も、まるで勝利したかのような盛り上がりを見せた。
「最高でしたね」と峯村敦監督は満面の笑みを浮かべた。「相手はチャンピオン、僕らは初出場なんだから、シュートを決められて当たり前、止めたらラッキー、シュートが入ったラッキーくらいの気持ちでやろうとずっと話をしてきました。その王者をタイムアウトを取らせるまで苦しめられたんだから、選手にとってはうれしいことですよね。彼らの気迫やがんばりがそういう状況をつくったので、褒めてあげたいです」。
王者・香川中央に対し、関東の新星はひるむことなく壮絶な打ち合いを挑んだ。
立ち上がりは、地力の差を見せつけられた。速攻から連続得点を奪われるも、エース・玉井康仁がロングシュートを叩き込んで1点を返す。その後も香川中央に多彩なオフェンスと高い決定力で得点を積み上げられ、開始18分で4-13と大きなリードを奪われた。
しかし関東第一も、相手の2分間退場を機に反撃を開始。里見勝規のポストシュート、玉井のステップシュートなどで食らいついた。
「打ち合ったら敵わないのは分かっているので、本当はポストをうまく使って粘ろうと言ったんですけど…。でもね、エースがスタートから頑張って打ちにいって、選手たちがその道を選んだわけですから、選手の気持ちが一番なので、それでよかったかなと思います」(峯村監督)
後半、点差を広げられたが、それでも「最後まであきらめない」を信条に、15-28で迎えた後半10分から、玉井の7mスロー、半谷優真、二木彪悟、新太弥仁の3連取で一気に追い上げ、19-28と点差を一桁に戻す。これに、香川中央はたまらずタイムアウト。「チャンピオンにタイムアウトまで取らることができたので、自分たちは結構頑張ったと思います」。エースの玉井をはじめ、チーム全員がガッツポーズで喜びを爆発させた。
試合は26-38と最後は12点差をつけられた。それでも、王者に真っ向から立ち向かい、最後まであきらめなかった姿はインターハイの舞台で鮮やかな印象を残した。