日ノ本学園2年連続準V 152cmの小さな主将がピンクのヘアバンドと駆けた最後の夏
全国高校総体(インターハイ)のサッカー女子決勝は1日、5度目の優勝を目指した日ノ本学園(兵庫県)が十文字(東京)に0-1で敗れ、2年連続の準優勝に終わった。しかし、歩んできた道のりと努力は決して色褪せない。主将のDF渡邊那奈(3年)は「力を出し切ったので後悔はありません」と上を向いた。
十文字に0-1で惜敗、明るい性格で盛り上げた主将DF渡邊「力は出し切った」
全国高校総体(インターハイ)のサッカー女子決勝は1日、5度目の優勝を目指した日ノ本学園(兵庫県)が十文字(東京)に0-1で敗れ、2年連続の準優勝に終わった。しかし、歩んできた道のりと努力は決して色褪せない。主将のDF渡邊那奈(3年)は「力を出し切ったので後悔はありません」と上を向いた。
トレードマークになっているピンクのヘアバンドがピッチに映える。「ユニホームとのバランスを考えると本当は赤がいいと思うんですけど、私はピンクが一番好きな色なので」と茶目っ気たっぷりに笑う。スパイクやヘアゴムもすべてピンクで買い揃え、テンションを上げて試合に臨んでいる。
1年次からレギュラーとしてインターハイに出場し、一昨年は優勝、昨年は準優勝を経験した。最終学年となった今年の目標は、もちろん優勝。持ち前の明るい性格でチームのムードメーカー役も担い、疲れている時や落ち込んでいる時には率先して声を発して盛り上げてきた。
しかし、今大会を迎えるにあたり、一抹の不安があった。1、2年次は右サイドバックとして出場していたが、今大会は中学時代以来となるセンターバックとして出場。152センチと小柄で、身体能力に恵まれているわけでもない。そんな中でも「競り合いは仲間に任せて、自分は必死にカバーリングしています」とできることに精一杯取り組んできた。
決勝での失点場面はセットプレーからのハイボールだった。マークを味方に託し、渡邊はフリーマンとしてカバー役に徹した。しかし体格に勝る十文字に屈し、決勝点を許してしまう。「大会が始まってから怪我人が2人出てしまった。2人とも3年生だったので、彼女たちのぶんまでしっかり戦って優勝したかった」と無念の思いを口にしながら唇を噛んだ。