元プロバスケ選手が伝える「全国の基準」 就任5年で初出場、インハイの熱気を知った鹿児島の新たな一歩
バスケットボールの全国高校総体(インターハイ)は27日、岡山市の会場で男女ともに開幕。男子は山梨学院(山梨)、鹿児島(鹿児島)、女子は光南(福島)、福井工大附福井(福井)の計4校が初出場を果たした。

インターハイ・バスケットボール男子
バスケットボールの全国高校総体(インターハイ)は27日、岡山市の会場で男女ともに開幕。男子は山梨学院(山梨)、鹿児島(鹿児島)、女子は光南(福島)、福井工大附福井(福井)の計4校が初出場を果たした。
そのなかの1校である鹿児島は、地元・岡山理科大附とジップアリーナ岡山(岡山県総合グラウンド体育館)で対戦。前半22-40と大量リードを許し、後半は37-36と互角の戦いを繰り広げるも、最終スコア59-76で惜しくも初戦敗退となった。
就任5年目でチームを全国へと導いた西堂雅彦コーチは、JBL時代のトヨタ自動車アルバルク(現・B1アルバルク東京)、レノヴァ鹿児島(現・B2鹿児島レブナイズ)で活躍した元プロ選手。鹿児島の川内高校から東海大学に進学すると、いまやBリーグに多くの選手を輩出する名門大学がインカレ初優勝を飾った2005年にキャプテンを務めていた。同期には、2024-25シーズン限りで引退した新潟アルビレックスBBの“象徴”池田雄一さん、1年後輩には大阪エヴェッサの竹内譲次がいる。
学生時代からトップレベルのバスケを経験してきた西堂コーチだが、「昔、自分がどういう基準でバスケをやっていたかは選手たちの参考にならない」と話す。
「僕は自分自身が実感したことしか糧にならないと思っています。『まだまだ甘いぞ』と僕がこれまでやってきたことを言葉で話しても、伝わりきらない。それよりも、大学やプロで培ってきた人脈を活かして、僕が経験してきたレベル、ステージまで選手を連れていって、そこで彼らがどう感じるかということを大事にしてきました」
年に一度、東海大学の先輩がコーチを務める東海大学付属相模高校やつくば秀英高校に出向き、「非日常を味わうこと」で選手の視座を引き上げ、強化を図ってきた。「全然通用しないチームと対戦したり、強豪校の選手たちが一生懸命練習している姿を見たりして、『自分たちも、もっと頑張らないといけない』『もっといい練習しようぜ』と選手と一緒に勉強して、普段の練習をアップデートすることで、少しずつチームが強くなってきたのかなと思っています」。
県外の強豪校の胸を借りながら、鹿児島高校は2年前の全国高等学校バスケットボール選手権大会鹿児島県予選で3位、去年は鹿児島市高等学校大会で2位と徐々に順位を上げ、今夏のインターハイ鹿児島県予選でついに優勝を手にした。
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