昌平の全国初Vに涙 元日本代表・玉田圭司監督が選手に伝え続けたメッセージ「技術は絶対だが…」
準々決勝では2点ビハインドを追いつく勝負強さも発揮
昌平は、同じグラウンドで活動する中学生年代のクラブチームであるFC LAVIDA(FCラヴィーダ)の卒業生が多く、毎年、技術に優れた選手を多く擁している。プロに進む選手も多く、高い評価を得ているチームだ。ただ全国大会では、インターハイで2016年、18年、22年と準決勝に進出していたが、なかなかベスト4の壁を越えられなかった。
今大会は準々決勝で桐光学園(神奈川、第1)に大苦戦。2点のビハインドから追いつき、PK戦で辛くも勝利するなど、これまでに足りなかった勝負強さも発揮した。技術を重んじる指導を受けた習志野高で日本一を成し得なかった玉田監督は「大会を通じて成長したところは、特に球際、戦う姿勢。テクニック、技術だけじゃ勝てないと選手も感じてくれたなかで実行してくれた。技術、テクニックは、僕の中では絶対になければいけない(要素)。プラスアルファで、サッカーも変わってきているし、変化に対応することが選手たちはできていた」と強気なプレーに技術を生かした選手を称えた。冷静に技術、戦術を生かすことと、相手に立ち向かう闘志の両方を兼ね備えてこそ、チームを勝たせる選手となる。
ただ、勝てたから嬉しいのではなく、伝えたかったことが、ピッチ上で選手によって体現されたから嬉しかった。就任1年目で快挙を果たした若き指揮官は「優勝ももちろん嬉しいですけど、大会を通じて、選手が1試合ごとに成長した姿を見られること、感じることができた。そっちのほうが嬉しいです」と笑顔を見せた。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)