2ケタ得点に迫った逸材・名和田我空 自分を「信じきれなかった」決勝、惜敗から得た教訓
海外プロクラブも注目、進路選択の基準は「成功より成長」
名和田は、2021年に全国中学校大会で神村学園中学校のエースとして活躍。チームを初の日本一に導いた。高校でも1年時から活躍。昨年はU-17アジアカップで得点王と大会MVPに輝いた。11月のU-17ワールドカップでも1得点を挙げている。
ただし、プレータイムは短く、チームのエースに君臨することはできなかった。それでも、代表チームで指摘された守備強度の課題改善に取り組むなど成長している。昨年度の全国高校選手権でも、準優勝した近江に敗れた準々決勝を含めて3試合で3得点。神村学園は、今季からユース年代最高峰のプレミアリーグWESTに初参戦。高校勢だけでなく、広島、名古屋、岡山、神戸といったJリーグクラブの育成組織も居並ぶハイレベルなリーグで、名和田は通算9ゴールの得点ランク2位につけている。
高校サッカー界では、すでに十分に優秀な選手だが、目指している舞台は世界だ。海外のプロクラブも興味を示している逸材。進路選択が注目されているが、名和田は「進路は、自分が一番成長できるところに行きたい。成功というよりは、まずは成長にフォーカスして選びたいと思っている」と、さらに先までイメージした進路選択の基準を示した。
インターハイを終え、今後は再開するリーグ戦でさらに力を伸ばす。冬の高校選手権では、あと一歩届かなかった歓喜の世界へ、エースとしてチームを導くプレーを見せる。夏の悔しさは、そのための糧となる。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)