苦しむ青森山田、8強で散った夏 生命線の堅守に綻び、高校選手権V2へ試される名門の真価
主将も強調、無失点でいかないと「勝っていけない」
MF谷川は「相手のFWにボールが入った後、自分たちが(中盤から)プレスバックをしても、相手が脇からどんどん沸いてきた」と唇をかんだ。堅守が機能すれば、得意のロングスロー作戦などを含めたセットプレーや、カウンターアタックによる得点は期待できる。主将を務める小沼は「前線の得点力はもっと磨いていかないといけないけど、それ以上に(失点)ゼロでいかないと勝っていけない。もっと組織的な守備を磨かないといけない。個人ももっと磨かないと、これからプレミアと(冬の高校)選手権を取るには、まだまだ足りない」と今後のテーマを守備強化に焦点を絞っていた。
名門校は、目標に少し及ばないだけで今年はダメだと言われるものだ。だが、青森山田は元々、冬場は降雪が続く環境で、全国の優秀な選手がこぞって集まることで強くなったチームではない。このチームの強みは、鍛錬する力にある。
今年は厳しいと言われながらも、ユース年代最高峰のプレミアリーグでは中位(12チーム中7位)をキープ。インターハイではベスト8まで駒を進めた。日本一は、決してノーチャンスの目標ではない。正木監督は「最後は足が止まってしまった。ただ、選手はプラン通りにハードワークをしてゴールを目指してやってくれていた。秋以降、楽しみだなという期待がある」と、悔しい負けを糧とする選手の発奮に期待をかけた。
谷川も小沼も「チームを勝たせられる選手になりたい」と話して会場を後にした。プレミアリーグでの戦いに戻り、さらに力をつけて冬の全国高校選手権へ。鍛えて強くなる青森山田の真骨頂が見られるか。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)