【ハンドボール】盤石の氷見、春夏2冠王手 今大会1度もタイムアウトなし「こちらで切る必要がない」
藤代紫水と決勝で激突「うちはのびのびやるスタイルなので、今夜も楽しく過ごしたい」
「うちは個の力が強いので、速く点を取りにいこうとする(傾向にある)。でもシュートまでが早い時はリズムが悪いとき。僕はよく『パス3本で点が取れちゃう』と表現するんですが、でもそうすると入らなかった時に戻れない。昨日のミーティングでも『時間を使った方が戻れると』としつこくしつこく話した。今日は点差を縮められても慌てず、急いで点を取りに行かず、リズムが崩れなかった。大したもんだと思った」と高校生らしからぬ冷静さを絶賛する。
氷見は今大会一度もタイムアウトを取っていない。コートに立つ選手への絶大なる信頼の証だ。
「こちらで(悪い流れを)切ってやる必要がないんですよ。コートの中に監督(安平)がいるから(笑)。今大会は4試合すべてそうですが、劣勢になってもリズムを崩さずにできている。それは彼らの経験値の高さ。今年のチームは全てにおいて手堅い」
また、コート外にもチームを支える環境が整っていることも大きな力になっている。
「栄養士さんがずっと帯同していただいて、補食なども完璧。フィジカルのトレーナーもストレッチ指導をしてくださってる。マッサージをしてくれるメディカルスタッフもいるし、昨日酸素カプセルも届きました。スタッフも7人いて、プロみたいですね。
氷見市はハンドボールのまちなので、僕らのチームを愛してくれることを力に変えられる体制(があること)を結果に繋げたい」(徳前監督)
明日(1日)の決勝の相手は、センバツ準優勝の駿台甲府(山梨)を33-23で下した藤代紫水(茨城)に決まった。
「明日はやってきたことをやるだけです。うちはのびのびやるスタイルなので、今夜も楽しく過ごしたい。今日も明日もOBがたくさん来てくれるので、喜んでもらいたい。何とか負けずに終わりたいですね」と徳前監督はあくまでリラックスモードを強調したが、その眼差しには決意をみなぎらせていた。
春夏2冠へ。ハンドボールのまち・氷見は総力戦で、頂点を取りにいく。
◇インターハイのハンドボールは7月27日より6日間にわたって熱戦が繰り広げられる。今大会は全国高体連公式インターハイ応援サイト「インハイTV」を展開。インターハイ全30競技の熱戦を無料で配信中。また、映像は試合終了後でもさかのぼって視聴でき、熱戦を振り返ることができる。
(山田 智子 / Tomoko Yamada)