[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

【ハンドボール】“小さな夏の奇跡”の終わり 17人の麻生に残った涙と汗と、底抜けの笑顔

2回戦で幕を下ろしたインターハイを経て、麻生はまた新たな冒険に挑む【写真:荒川祐史】
2回戦で幕を下ろしたインターハイを経て、麻生はまた新たな冒険に挑む【写真:荒川祐史】

貫いた底抜けの明るさ「強豪に食い下がっていくのはうちみたいなチームと証明できた」

「まだまだ弱いチームなんですが、きっと大きなことを成し遂げるのは、底抜けの明るさを持っているチームだと私は思うんです。強豪と呼ばれるチームは、どしっと構えていますが、それに食い下がっていくのは、うちみたいなチームなんじゃないかなと。そこを今回証明できたと思います。

【写真】17人の“ハンド女子”がインターハイで起こした“小さな夏の奇跡” 麻生高校ハンドボール部写真ギャラリー

 こうして1、2年生が悔しくて泣いているのは、チームの財産だなと思いますね。全然満足していない。もっとうまくなりたいんだなと。彼女たちの潜在能力はまだまだある。それを引き出すのが私の仕事ですね」

 小沼監督と高野ら3年生が始めた冒険の第1章は、インターハイの2回戦で幕を下ろした。ここから新たに始まる「章」へと踏み出す高野は、やはり笑顔だった。

「負けたこの試合で得たものだったり、成長できたことがたくさんあると思う。それを糧にして、後輩たちにはもう一回このインターハイの舞台に戻ってきてやる、という強い気持ちを持ち続けて、どんなに辛いことにも負けず、どんどん挑戦し続けるチームになってほしい。高校卒業後もハンドボールを続けるつもりなので、怪我で全国でもプレーができなかった悔しさをどんな状況でも絶対に忘れないでプレーを続けて、強くなって成長した姿をこのチームメートのみんなに見せたい」

 号泣していた浜田も「これから復帰するまでは自分ができることをやって、復帰してからは自分がチームを引っ張って、また来年もこの舞台に立てるように、そして、来年は今年の結果よりももっと上を目指して、先輩たちの分まで自分たち2年生が中心になって練習に取り組んでいきたい」と充血した目で前を向いた。

 小沼監督も、新たな挑戦に心を躍らせる。

「常に船出です。嵐の日もあれば、風のない日もある。今回はいい風に乗れて、ここまで来れた。また新たな船出ということで、きっとまた色々な試練が訪れると思うんですけど、逞しく乗り越えていければと思います」

 ◇インターハイのハンドボールは7月27日より6日間にわたって熱戦が繰り広げられる。今大会は全国高体連公式インターハイ応援サイト「インハイTV」を展開。インターハイ全30競技の熱戦を無料で配信中。また、映像は試合終了後でもさかのぼって視聴でき、熱戦を振り返ることができる。

(山田 智子 / Tomoko Yamada)

1 2 3

山田 智子

愛知県名古屋市生まれ。公益財団法人日本サッカー協会に勤務し、2011 FIFA女子ワールドカップにも帯同。その後、フリーランスのスポーツライターに転身し、東海地方を中心に、サッカー、バスケットボール、フィギュアスケートなどを題材にしたインタビュー記事の執筆を行う。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集