“指定席”に返り咲き 夏の女王、日ノ本学園を「死ぬ気」に変えた1年前の屈辱
敗戦から生まれ変わったイレブン…指揮官「もっと悔しさを出しながら試合を」
田邊友恵監督は「それまでは冷静な試合が多かった。もっと悔しさを出しながら、試合をしていこうと言ってきた」と言う。負けても、ただでは転ばない。さらに強くなるため、闘志を前面に押し出すサッカーに転換した。
練習はもとより、日常生活から積極的に意見を交わし、サッカーと向き合ってきた。その分、仲の良さが際立つのが、今年の日ノ本学園の特徴でもある。今大会最大のピンチとなった準決勝・作陽(岡山)戦も終了間際に同点に追いつかれるイヤな展開ながら、気持ちは折れることなく、PK戦の末にファイナルに駒を進めていた。
「去年のようにやられたくないと思っていた」。試合後、そう話したのは、主将の牛島理子(3年)だ。彼女の言葉にもまた闘志を感じさせるフレーズがあった。
「今日は死ぬ気で戦おうと思っていた。勝ちたい気持ちを内に秘めるのではなく、前面に押し出していこうと思っていました」
敗戦から生まれ変わった日ノ本学園イレブンは、最後まで熱く、情熱的に戦い抜き、“指定席”だった夏の女王に返り咲いた。
◇サッカー、いよいよ決勝 インターハイのサッカーは7月29日に幕を開け、7日間にわたって熱戦が繰り広げられる。男女ともに決勝は4日。なお、今大会は全国高体連公式インターハイ応援サイト「インハイTV」を展開。全30競技の全試合をライブ配信し、インターネット上で観戦、応援が可能となった。また、映像は試合終了後でもさかのぼって視聴でき、熱戦を振り返ることができる。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer