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審判殴打の延岡学園が再起の全国1勝 NBA渡邊雄太の同級生監督「応援されるチームに」

「ウインターカップ2018第71回全国高校バスケットボール選手権大会」が23日に武蔵野の森総合スポーツプラザで開幕し、男子の延岡学園(宮崎)は91-70で一関工業(岩手)を破って2回戦進出を決めた。

延岡学園が初戦突破(写真はイメージ)【写真:Getty Images】
延岡学園が初戦突破(写真はイメージ)【写真:Getty Images】

渡邊と尽誠学園で同期・楠元新監督が初戦突破に導く

「ウインターカップ2018第71回全国高校バスケットボール選手権大会」が23日に武蔵野の森総合スポーツプラザで開幕し、男子の延岡学園(宮崎)は91-70で一関工業(岩手)を破って2回戦進出を決めた。指揮を執ったのは、NBAでプレーする渡邊雄太(メンフィス)と尽誠学園でともにプレーした同級生の楠元龍水監督。夏の審判殴打事件を経て、8月に就任したばかりだ。

 試合では、コンゴからの留学生で205センチの長身を誇るムヤカバング フランシス(2年)がゴール下を制圧。また、外からは米澤協平(3年)が3ポイントシュートを沈めた。中盤に点差を詰められたが、最後に突き放した。

 延岡学園にとっては、晴れの舞台であるとともに出直しの大会でもある。楠元監督は「2つの目標を持って挑んでいる。1つは、引き続き、日本一を目指すこと。もう1つは、イメージアップ。『あれが延学だ』と後ろ指をさされる大会だと思っているので、試合のパフォーマンスとか、ベンチの様子とか、応援されるチームになる取り組みの第一歩」と今大会の位置付けを表現した。

 後ろ指をさされる――6月に大きな事件を起こしてしまった。夏のインターハイでも宮崎県大会で優勝したが、全九州高校総体の試合で、1年生の留学生が審判を殴打。当該留学生は自主退学扱いとなり、当時の川添裕司監督は解任。全国大会の出場を辞退した。事件の後に就任した楠元監督は「バスケットだけ強くなって帰って来るというのは、誰からも評価されない。挨拶、荷物の整理などが変わらないと、二度と評価されない」と選手に伝えた。留学生がコミュニケーションの問題でストレスを溜めていたことが事件の一つの要因だったことを受け、2年生留学生のフランシスとは、コーヒーショップで複数の選手を交えて会話をする機会を設け、選手間の会話の通訳をしているという。

 チームでも週に一度はミーティングを行っている。主将の米澤協平(3年)は「自分たちにも責任があったと思います。延岡学園自体が、審判に対する態度とか、良いイメージを持たれていなかった。(問題を起こした)彼は、優しい子だけど、あの試合は、彼が来て初めて負けていた公式戦でイライラしていた。僕たちも、そういうのが伝染してしまうチームで、(落ち着かせるような)声をかけられなかった。声をかけていれば、あんなことにはならなかったと思う」と話し、挨拶から徹底して変えるようになったことを明かした。

 与えられた再出発の場で、彼らは取り組み方を変えた。米澤は「挨拶とか変えて、県予選では、他校の先生から『ウインターカップ、頑張れよ』と今までは言ってもらえなかったような言葉をかけてもらった」と話した。態度を改めた姿を、多くの人に認めてもらうためにも、さらなる勝利を目指す。25日に行われる2回戦では、金沢学院(石川)と対戦する。

(平野 貴也 / Takaya Hirano)

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